【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

令和2年度予算が成立、「賃金請求権の消滅時効を5年に延長」「臨財債3年延長」「土地の所有者に管理の責務」など恒久改正法も成立

2020年03月27日 16時22分00秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
 令和2年度予算は、審議入りから2か月と1日目になるきょう成立しました。コロナ関連が入っていないので、さっそくきょうにも首相が補正予算案の編成を指示するとみられます。

 「賃金請求権の消滅時効を2年から5年に延ばす」
 「土地を所有する者に管理の責務を課す」

 という恒久法改正も決まりました。

【衆議院決算行政監視委員会 令和2年2020年3月27日(金)】

 4月6日(月)に決算審査をすることになりました。テレビ入り。生方幸夫さんが委員長をつとめることになります。そういえば、小沢一郎グループのみなさんは、今どうしているのでしょうか。

【参議院本会議 同日】

 「令和2年度予算」は投票総数242、賛成143、反対99で可決し、成立しました。一般会計の歳出歳入は102・6兆円で、特別会計に1・0兆円の特別財源の税収が入ります。討論では立国社の長浜博行会長が「新型コロナウイルス対策が入っていない」維新の石井苗子さんが「人事院勧告は歪んでいる」共産の山添拓さんが「今の不況がコロナだけでなく消費税増税もある」と批判しました。

 「改正労働基準法」(201閣法11号)は投票総数242、賛成227、反対15で可決し、成立しました。4月1日、120年で最大の民法債権編改正法(改正債権法)と同時に施行。

 「改正在外公館位置・名称・給与法」(201閣法18号)は投票総数239、賛成239、反対0の全会一致で可決し、成立しました。チェコなど在外公館で職員のコロナ感染が相次いでいます。衆側の岡田克也外務委員は、超過勤務手当を整備するよう求め、次年度審議されます。

 「改正家畜伝染病予防法」(201閣法25号)と「改正養豚農業振興法」(201衆法5号)は一括して採決され、投票総数241、賛成241、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

 「改正土地基本法」(201閣法13号)は投票総数241、賛成228、反対13の賛成多数で可決し、成立しました。上述の通り「土地所有者に管理の責務」を法文に書き込んだ抜本的な改正。国の地籍調査に関する国土調査法の改正項目も入っています。下述する、委員会では共産党が「おおむねいいが、大資本の再開発がやりやすくなるかもしれない」との懸念を示しました。

 「改正地方税法」(201閣法6号)と「改正地方交付税法」(201閣法7号)は投票総数242、賛成160、反対82で可決し、成立しました。

 「市町村合併特例法10年延長法」(201閣法8号)は投票総数241、賛成226、反対15の賛成多数で可決し、成立しました。

 201閣法7号には地方財政法の改正項目も含まれ、臨財債が3年延長。201閣法8号で合併特例債が10年延長されました。

 「改正所得税法」(201閣法3号)は投票総数242、賛成160、反対82で可決し、成立しました。例年より小ぶりな年次改正。

  「改正関税定率法」(201閣法9号)は投票総数242、賛成242、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

 「地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置法を延長する法律」(201衆法6号)は投票総数241、賛成241、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

 国立国会図書館長の交代人事が全会一致で同意されました。

【参議院予算委員会 同日】

 金子原二郎さんは衆議院議員在職中に長崎県知事に転出。当時の橋本龍太郎・自民党総裁(首相兼務)の演説、私は飛行機に同乗して取材に行きましたが「原二郎君は、自民党内ではそろそろ大臣をお願いする当選回数なのに自分の意思で長崎県知事に転出しようとしている」と応援して当選しました。このとき、新進党幹事長だった西岡武夫さんが小沢一郎さんに辟易したようで知事選に出馬しましたが、後輩の金子さんに惨敗しました。首相を乗せた車が西岡事務所を通過するときに、西岡候補が顔を出したのは忘れられません。その後、西岡さんは参議院議員になり、議長も。金子知事は裏金問題で徹底的調査。処分対象にはなぜか佐賀県知事(元長崎県総務部長)まで入るという徹底ぶり。金子さん自らもポケットマネー2000万円で補填。そして、金子さんも参議院議員となりました。ステイツマンです。

  前置きが長くなりましたが、「令和2年度予算案」の審議は15日目で、締めくくり質疑。討論では、立国社が「家計に直接支払え」自公が「全世代型社会保障に大きく前進した予算だ」維新が「人事院勧告に問題がある」共産党「公立病院の削減がコロナにも影響している」と主張。採決になり、立国社共維反対、自公賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【参議院財政金融委員会 同日】

 2つに分けて審議されてきた予算関連法案が採決されました。

 「所得税法など改正案」(201閣法3号)は共反対、自公立国社など賛成多数で可決すべきだと決まりました。

 「関税定率法改正案」(201閣法9号)は全会一致で可決すべきだと決まりました。

 そして、「国際金融公社IFC加盟法及び国際開発協会IDA加盟法改正案」(201閣法10号)が麻生太郎財務大臣から趣旨説明されました。年度内の成立をめざすと考えらえます。

【参議院総務委員会 同日】

 2つに分けて審議されてきた予算関連法案が採決されました。

 「地方税法など改正案」(201閣法6号)と「地方交付税及び地方財政法など改正案」(201閣法7号)は立国共社反対、自公維賛成多数で可決しました。

 「市町村合併特例法を10年延長する法案」(201閣法8号)は共反対、自公立国社維賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「在外公館位置・名称・給与法改正案」(201閣法18号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【参議院国土交通委員会 同日】

 「土地基本法及び国土調査法など改正案」(201閣法13号)は共反対、自公立国社れの賛成多数で可決すべきだときまりました。れいわ新選組の木村英子さんは、隣の介助者というんでしょうか女性が代わりに挙手して賛成を示しました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「家畜伝染病予防法改正案」(201閣法25号)と「養豚農業振興法改正案」(201衆法5号)は全会一致で可決しました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

  「地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置法を延長する法律案」(201衆法6号)。議員立法ですので、衆議院災害対策特別委員会メンバーから趣旨説明。採決の結果、全会一致で可決すべきだと決まりました。

●参議院厚生労働委員会は開かれず、「高年法及び雇用保険法など改正案」(201閣法11号)の審議はまだ継続していますので、来週に持ち越します。

【衆議院 同日】

 参議院優先で開かれませんでした。

●今後の予定

 4月2日(木)の衆議院本会議で首相のサミット延期に関する政府報告とそれに対する代表質問が行われることになりました。

 以上です。