インターネットのブログとなると、一つの記事に「Aさん」と「Bさん」を書くと、2人は関係あると思い込んでしまう人が圧倒的に多い。というのが特徴です。
ただ、最終盤国会会期末攻防になってきましたので、いろいろな情報発信を一つのエントリーにまとめます。
●第47期衆議院で、維新の党国会対策委員会に何が起こったのか
「安保」「労働」ともに、維新の党国対が自民党に擦り寄る動きが出てきました。何が起こったのでしょうか。
第47回衆院選(昨年12月14日)で、小沢鋭仁・国会対策委員長が突如山梨1区から転出し、比例近畿ブロック単独1位になり8選。「維新の近畿1位」というと、その前の東国原議員が突如辞職した因縁の地位。大阪では、松浪健太国会対策委員長代理も、小選挙区で辻元さんと自民公認候補に劣る3位、惜敗率81%となり、比例近畿のブービーで復活当選しました。
一方、橋下チルドレンは大阪府内で2回連続小選挙区当選者が多数出ました。その中で、大阪17区の馬場伸幸さんが国対委員長、大阪18区の遠藤敬さんが国対委員長代理(兼)議運理事になりました。これにより、維新国対は、大阪系2回生(橋下系)が主導権を握りました。比例近畿復活の上西議員の党除籍(議員辞職による比例繰り上げをねらう)騒ぎ。松野頼久代表に近い、ベテランの小沢さん、中堅の松浪さんの2人が埋没している感じもあるのも同じ流れです。
一方、2期生国対を、前の任期はいなかった、元与党幹事長の下地幹郎さんがサポート。比例復活ながら大阪系の浦野さんが衆・厚労委理事。こういった布陣をしいたところ、橋下徹・大阪市長の引退宣言を受けて、大阪系が五里霧中に。人間の本性があらわれるとされる、終盤国会を迎えています。
大阪市内での大量のテレビCMの件や、菅官邸の件で、議会制民主政治が歪むような動きが水面下でないことを願っています。この件は以上、おしまい!
【平成27年2015年6月11日(木)衆議院本会議】
改正道路交通法(閣法38号)が全会一致で成立しました。今国会の参議院先議の法案では第1号の成立になりました。75歳以上の交通違反者に対して、臨時の認知症検査を(令状なしに)できる改正で、公布から2年以内の政令で定める日に施行。テレビによると、今月から自転車でのスマホなどを取り締まる改正法律が施行されたようですが、次の改正も法律化されました。相変わらず、警察庁は国会対策がうまいです。なお、昨日付記事で、委員会採決を書いていなかったので、さきほど付け加えております。
これに先立ち、「国立研究開発法人放射線医学総合研究所を改称して量子科学技術・研究開発機構にする法律案」(189閣法35号)が共反対、自公民維賛成多数で可決し、参議院に送られました。「JCO臨界事故や東電福島原発事故で被爆作業員がヘリコプターで運ばれたところ」の印象が強い「放医研」の名称を変更するもの。委員会段階では、維新の党の牧義夫さんと民主党の松本剛明さんらが「放医研・~~機構」と「放医研」を残す修正案を提出しましたが否決され、政府原案に賛成しました。
「災害ガレキなど廃棄物処理法と災害対策基本法を改正する法律案」(189閣法59号)が全会一致で可決し、参議院へ。
「3・11」を忘れようとする放医研改称法案と、「3・11」の宿題を解決する国による自治体処理代行の法案。きょうの新聞によると、被災地バスツアーに行こうとした人が「人数不足」でツアー自体が中止になったこと。4年3か月の時間は、被災地とそれ以外ではまったく感覚が違うようです。
「不正競争防止法改正案」(189閣法45号)は共反対、自公民維の賛成多数で可決し、参へ。
【同日 参議院外交防衛委員会】
後述の衆・憲法審とともに、安保法制と砂川事件と昭和47年政府見解をめぐって、泥仕合の様相となってきました。これは安倍自民党から見ても会期延長せずに閉じた方がいいのではないでしょうか。
参・外防委では、前哨戦で片山さつき委員長が理事懇談会に2分間遅刻し、3月31日成立・施行予定の日切れ法が4月22日施行にずれ込む失態がありました。
きょうはまず、片山委員長が、第一質問者の小西洋之さんが数分遅れたので、開会が数分遅れたと宣言。小西さんが謝罪しました。ただ、この後、午前11時5分まで質問時間があったのに、同4分に「小西さん、質問時間が過ぎています」と発言したことを、野党側の大野元裕・筆頭理事から指摘され、休憩。理事会で説明を二転三転させたようで、再開後、謝罪しました。
まあ長くやっていると、こういうことはどうでもよくなるので、質疑の話。小西さんは「きのうの衆議院の安保特で、昭和47年見解の話があった」として横畠内閣法制局長官にたずね、当時、防衛庁(現防衛省)と調整しないで、政府統一見解がまとめられていたことを浮き彫りにしました。横畠さんは「国会での質疑を整理して提出し、国会での十分な議論に資するために出したものだ」と先人をかばいました。まさに巌流島の宮本武蔵のようでした。
質疑の後、「特許法条約」(189条約5号)と「商標法シンガポール条約」(189条約6号)の承認案件が審議入りしました。岸田外相はこちらの委員会に出席することになります。同条約の国内実施法案(189閣法44号)はすでに衆議院を通過し、参議院に送られましたが、まだ経済産業委員会で審議入りしていません。
【同日 衆議院憲法審査会】
立憲主義に関する、議員同士の自由討議となりました。
めったに国会で発言しない、自民党副総裁で与党協議会座長の高村正彦さんが発言。先週の3憲法学者「違憲」発言事件について、「砂川判決は集団的自衛権にふれた唯一の最高裁判決だ」「日本近海で、米艦防護をしなくていい、言い訳にならない」「先日の3憲法学者は砂川判決に言及していなかった」「憲法の番人は最高裁であり、立法機関ではない」などという趣旨の発言をしました。
公明党の北側一雄さんも「砂川判決は自衛隊と自衛権にふれた唯一の最高裁判決だ」「新武力行使の3要件(北側3原則)で米艦防護できる」「長谷部参考人の批判はまったく当たらない」「(憲法審査会の)建設的な議論に期待する」と語りました。
高村さんと国会でやりとりできる稀有な機会なので、辻元清美さんが「高村さんはなぜ外相のときに憲法解釈の変更をしなかったのか」と語りました。
砂川判決と47見解をめぐる、攻防がこれからも続くことになるようです。
【同日 衆議院厚生労働委員会】
漏れた年金をめぐる質疑が、定例日外の委員長の職権による設定で行われました。
【同日 衆議院災害対策に関する特別委員会】
「活動火山対策特別措置法改正案」(189閣法74号)が全会一致で可決しました。この法案は当初の内閣官房のとりまとめで「提出するかどうか検討中」リストに入っていましたが、先月29日に提出されましたが、スピーディーに衆議院委員会を通過しました。
【同日 参議院国土交通委員会】
前日の本会議で趣旨説明と代表質問があった「道路運送車両法と自動車検査独立行政法人法改正案」(189閣法46号)が委員会で趣旨説明され、質疑され、広田一委員長が「質疑の終局」を宣言しました。会期末の参議院特有の不思議な流れの中、採決は次回(あるいはそれ以降?)に持ち込まれました。
【同日 参議院内閣委員会】
衆参とも、内閣委でも、水島藤一郎・日本年金機構理事長に対する質疑が行われています。一般質疑の後、山谷国家公安委員長から「ダンスホール規制を除外し、いわゆるキャバクラの規制をやや強化する風俗営業法改正法案」(189閣法26号)が趣旨説明されました。
【同日 参議院環境委員会】
水銀における水俣条約(今国会で先月までに両院承認済み)の国内実施2法案(189閣法36号・189閣法37号)を可決しました。
【同日 参議院文教科学委員会】
次期日本遺族会長に就任する、水落敏栄委員長のもと、「小学校・中学校の統廃合を進めるための小中一貫教育を推進する、学校教育法改正案」(189閣法49号)の参考人質疑が行われました。
【同日 参議院経済産業委員会】
「電力システム改革プログラム第3弾(仕上げ)の電気事業法・ガス事業法改正案」(189閣法29号)が法案審査されました。採決は次回以降。
【同日 参議院法務委員会】
一般質疑がありました。
以上。
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