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[写真]米国防総省ペンタゴンが、2015日米ガイドライン署名に関するニュース記事につけたイメージ写真
岸田文雄外相、中谷元防衛相、ケリー国務長官、カーター国防長官は、平成27年2015年4月27日(月)の日本時間午後11時からあくる午前1時前までの2時間弱会談し、
「2015年日米防衛協力のための指針いわゆるガイドライン(Guidlines)」に署名しました。1997年のガイドラインと同じくニューヨークで。
ガイドラインにもとづき、「国の存立を全うし切れ目のない安全保障法制の整備法案」が連休明け国会に提出されます。
すでに国防総省ペンタゴンのウェブサイトには英語版が発表されています。
続いて、外務省のウェブサイトにも、日本語版が出ました。
これによると、新ガイドラインは、
第1章「ガイドラインの狙い」の中で、日米同盟は、平素(平時)と有事の切れ目のない(seamless)な関係として、グローバルな性質(the global nature)に対応するとしました。
1978ガイドラインの「極東有事」→1997ガイドラインの「周辺事態」→2015ガイドラインでは「グローバルな性質」と大きくその対象を広げました。
そして、日本の防衛力は、新しく策定した「国家安全保障戦略(national seburity strategy)」にもとづき、1997同様に「防衛大綱(防衛計画の大綱)」により整備することを明記しました。
第2章の「基本原則」では、アメリカの核の抑止力の下、日本の非核3原則をまもりながら、「このガイドラインはいかなる両国の、立法、予算、行政上の責任をともなうものではない」と明記しました。これは1998と同様です。
そして、「同盟調整メカニズム(aliance cordination mechanism)」を常設の機関として設けることになりました。
この後、日本有事における日米の対応が詳細に記されました。
飛びます。
第5章「地域と地球の平和と安全のための日米共同行動」では、「米国や第三国(the third country)が攻撃を受けた場合、国際法や十分な国家主権の尊重、両国の憲法と法律にもとづき」次の行動がとれる、としています。
・アセット防護(すなわち米艦防護・装備防護)
・捜索・救難
・海上作戦(海洋安全保障)
・弾道ミサイルに対処するための作戦
・後方支援としての補給(すなわち兵站、logistics support)
の5点が盛り込まれました。
これらは日本有事でもはじめて盛り込まれています。
このほか、化学兵器、日本での大規模災害、サイバー攻撃、宇宙防衛などでの協力もはじめて盛り込まれています。
私の予想よりは、ガイドラインは、「日本の立法、予算」への尊重と「歯止め」がかかっているように思えます。
来月5月14日(木)ないし15日(金)にも提出される「周辺事態法を改め重要影響事態法を設けたり、自衛隊法、武力攻撃事態法などを改正する一括改正法案」(未提出)と「国際平和支援法案」(未提出)の審議次第では、協力メニューに歯止めをかけることが可能となりました。
【追記 2015年4月28日午前8時】
NHK首都圏ニュースによると、ちょうどガイドラインが署名された時刻にあたる、午前0時40分、アメリカ陸軍第1軍団・在日陸軍司令部(神奈川県キャンプ座間)に向けて、何らかの発射物があったようです。私は初参りをした神社が天皇陛下のご即位の礼の当朝に燃やされた「トラウマ」もあり、このようなテロ(未遂)事件は断じて容認できません。
【追記おわり】
以上
宮崎信行
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