補正予算案のフレームの記事は、いつもアクセス数が少ないので、お菓子の写真でも載せようかと思いましたが、淡々と書くことにします。
政府は、平成28年2016年8月24日(水)夕刻、臨時閣議を開き、平成28年度第2次補正予算案を決定しました。
この後、予算書の印刷にかかり、9月26日(月)ごろに、第192回臨時国会に提出されます。成立は10月上旬。
平成28年度予算は、今次補正後、一般会計が100・0兆円となるようです。
財源の確保すなわち歳入の増額補正及び歳出の減額補正では、
黒田東彦日本銀行総裁が進めるマイナス金利によって、新発も含めて、金利負担がゼロ前後となっていることから、赤字公債を0・4兆円減らして上で、建設公債を2・7兆円増発。これにより、公債の平均残存期間は延びるとみられ、大いに評価したいところです。
1次補正で、熊本地震の復旧のための予算を、予備費として0・7兆円積みました。これを今次補正で、半減させ、財源をねん出しました。
その一方、前年度から余剰金はわずか0・2兆円にとどまり、近年の年央の補正では極めて少額。アベノミクスの唯一の果実といわれる、人為的な円安による企業の利益の前年比激増にともなう国庫法人税収の大幅な上振れが、あっという間になくなってしまったようです。
歳出の増額補正。
安倍首相は、ことしのG7伊勢志摩サミットで、G7協調しての財政出動をぶち上げ、第24回参院選に勝利。その後、英国のEU離脱という中長期的なリスクも発生しました。
8月2日の追加経済対策取りまとめの政策パッケージをもとに、歳出のメニューとして、21世紀型インフラ整備に1・4兆円、EU・中小企業・地方の下支えに0・4兆円、熊本・東日本大震災復興に1・4兆円としています。
熊本の予算は予備費から具体的な歳出メニューに移したということでしょうが、建設関係では、東京オリパラを凌ぐ需要が発生しているようです。
地方交付税交付金は変わらないようです。
注目は、一般会計よりも、財政投融資計画です。
財投は、6・0兆円の増額補正(追加改定)。報道では、そのうち1・5兆円は、JR東海に融資され、リニア新幹線建設の前倒しに充てるようです。
GDP押し上げ効果は内閣府が計算しますが、私の手元の計算では、0・7%程度だと思います。
リニア財投の8兆円を8月2日のとりまとめに加えているため「28兆円財出」と銘打たれましたが、実際には、2次補正は財出が3兆~4兆円にとどまる「第二の矢」としてショボいもの。それでいて、向こう30年間にわたり、民間企業をしばる財投融資がなされました。
マイナス金利にうかれず、財政規律は保たれているように感じます。
ただ、財投や、多額の借り換え公債により、国会や国民が理解しにくい財政になっているし、これからもなりそうです。
この辺の「補正後100・0兆円」というところに、査定官庁が表現したいメッセージがあるのかもしれません。
正式な歳出のメニューのうち、「款・項」は、予算案提出日に、「目」は予算成立後に分かります。
今次補正(平成28年度第2次補正予算)案のフレームや、主計官作成資料は、
(
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2016/hosei0824.html
)
9月26日以降なら、予算書・決算書データベース(
http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxss010bh28.html
)。
まあ、あんまり読んでくれないでしょうから、このエントリーはここまでで終わります。
2016年、宮崎信行。
このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
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