宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「資格確認書」で法改正案提出を回避、先週金曜日に首相会見、来年秋の紙の保険証廃止を維持

2023年08月07日 14時08分06秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]国民民主党議員の自民党推薦での知事転出に伴う補欠選挙で応援するも敗れた岸田文雄首相(中央)、2023年4月22日、和歌山県内で、友好媒体の「横田一記者」撮影。

 岸田文雄首相は先週金曜日(2023年8月4日)記者会見し、「本日は、私の思いとマイナ保険証への不安払拭を図るための方針について説明いたします」「現行の健康保険証を廃止する際にも、全ての国民が円滑に医療を受けられるよう、マイナ保険証を保有していない方全員に資格確認書を発行し、その有効期間やカードの形状も現行の健康保険証を踏まえたものとする」と語りました。

 先の第211回国会で成立した「改正マイナンバー法」(211閣法46号)で紙の健康保険証を廃止し、マイナカードで確認できない状況にある人に限り資格確認書を提供する」としたものを踏まえたもの。会見に先駆けた一部報道では「紙の健康保険証を廃止する」条項を改正するとの見立てもありました。が、この場合は、第212回国会で、「再改正法案」を出す必要があり、首相やデジタル大臣らが国会審議で批判にさらされるのが確実でした。

 このため、改正法を精査した官僚との打ち合わせを踏まえ、首相が直前に法改正を回避したと予想されます。

 蛇足ですが、先の第211回国会の「改正健康保険法」(211閣法16号)は出産育児金引き上げとかかりつけ医制度新設を束ねた別の法律です。

 立憲民主党の泉健太代表は、首相より半日前の会見で、「マイナカード以外に、資格確認書なんていうものが送付をされてくるとなると、これは何なのか、何が違うのか。例えば高額医療費の制度の利用も一緒なのか違うのか」と語りました。

 ただし意外と、世論はマイナ保険証分野に限れば、沈静化するかもしれません。

 首相の判断は、秋の臨時国会冒頭解散を選択肢に残したい考えであることは間違いありませんが、可能性は5割未満です。

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Ⓒ2023年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

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