宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【メディア批評】「過去最大の概算要求」は当たり前だから見出しの是正を、「政府原案決定」「国会提出」「衆議院通過」「成立」

2020年09月25日 15時32分00秒 | マスコミ批評

[写真]異様なまでに薄暗い日本経済新聞社、4年前の2016年、宮崎信行。

 きょう25日(金)は自民党政調会では9つほどの省庁の概算要求を聞く各種部会が朝から開かれました。

 昨夜からけさにかけて、来年度令和3年度予算案編成に向けた、概算要求の総額が報じられています。

 毎年非常に気になる表現があります。

 「過去最大の概算要求」という見出しです。

 商品経済はインフレしなければなりたたず、概算要求ベースで名目実額が前年比過去最大になるのは当たり前のことです。

 内閣府のSNA(国民経済体系)で確認すると、ここ四半世紀、名目の民間最終消費支出が前年度の名目を下回ったことは、平成10年度の「橋本経済失政」、平成14年度と15年度の「小泉構造改革」、平成20年度の「リーマンショック」の4回。25回中4回しかありません。政府最終消費支出では平成18年度、20年度の2回だけです。

 平成6年度は民間269兆円、政府76兆円で、30年度は民間304兆円、政府108兆円。

 私・宮崎信行が日本経済新聞記者だったころは「過去最大」「史上最多」との草稿の表現を「調査開始以来最大」「○○省○○課は、史上最多ではないか、と話している」とデスクに書き直されることは建設作業現場で親方から始動されるような日常でした。

 毎年の報道を見ていると、「史上最大の予算が国会で成立した」と見だしをとりながらも、文章中で「史上最多」という表現がないから見出しになっていることもあります。

 9月末日の翌日の報道や、12月下旬の政府原案、1月の国会提出、2月の衆議院通過、3月の成立とも、「過去最大」でなく「前年度比○%増加の予算」という表現をしてほしいと思います。

 マスコミも、こびりついたデフレマインドから脱却しましょう!

 以上です。


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