宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【守屋喚問③】展望・みえてきた今後の動き

2007年11月16日 13時06分37秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

(写真はMSN産経)
【国会傍聴記 2007-11-15 参院外交防衛委】

 今回の出色の証人喚問の最終部分を聴きながら、第一委員会室の傍聴席で今後の展望を考えてみました。
 民主党議員と自民党議員により、多くの「?」を解決できた今回の証人喚問ですが、それだからこそ新しい課題も出てきたのです。

①久間章生初代防衛大臣の議員辞職

 久間さんは入院中です。航空機課長への口利きについて、守屋証人から決定的な答えは出ませんでした。ただ、司直の手が伸びているようですので、道義的責任から議員辞職ないしは逮捕される可能性が極めて高くなりました。参院民主党は久間初代大臣と額賀現職大臣の証人喚問を要求するのではないでしょうか。

②額賀財務大臣の辞任または問責

 そして、①に加えて、額賀大臣には福田内閣の現職閣僚でありながら、守屋・宮崎との会食について衆院でも、閣議後会見でハッキリ否定していました。うそをついた道義上の責任から更迭されるかもしれません。また参院民主党が問責決議案を提出する可能性があります。参院史上、大臣への問責決議は過去にただ一件だけあります。それがナント額賀さんなのですから、シャレになりません。そうすると、そういう人物を閣僚にすえた福田首相の任命責任を問われる事態へと発展していくことでしょう。

③「沖縄利権」という問題 沖縄利権vs防衛利権

 付随的に出てきた印象ですが、質疑を聴きながら、
「沖縄利権vs防衛利権」という構図があることに気付きました。
 そうするとTVを騒がした
防衛大臣の小池百合子さん(沖縄担当相経験者)vs守屋事務次官
の対立の構図は
沖縄利権               vs(既存の)防衛利権
のせめぎ合いだった可能性があります。

そして以上①②③に共通することは
 佐藤派→田中派→竹下派の平成研究会vs福田派→森派の清和会
という対立図式になっています。

つまり、
①は久間さんは「平成研」所属vs2人を追及した山本一太さん=清和会
②も額賀さんが「平成研」所属vs2人を追及した山本一太さん=清和会

 佐藤栄作首相と田中角栄通産大臣のコンビで沖縄返還をなしとげて以来、沖縄利権は同派の牙城でした。橋本龍太郎さんは生涯に45回以上沖縄に行っていたはずですし、小渕恵三さん、鈴木宗男さん、野中弘務さんと「沖縄族」がひしめいていました。

 ところが、ある時から沖縄利権は、森喜朗元首相、尾身幸次前財務大臣、小池百合子前防衛大臣と、清和会の牙城へと変わっていきます。

 これはなぜなんでしょうか? 謎です。

そして、最後に

④イージス情報漏洩に米国が激怒→新テロ特措法へのこだわり?
という疑惑です。

 守屋証言では、彼の事務次官時代の海上自衛隊のイージス艦(日米韓)情報が漏洩したことに関し、米国が激怒。アーミテージ国務副長官に呼び出され、渡米し、陳謝したことが明らかになりました。
 ハッキリ言って、共和党政権である限り「日米同盟とは、アーミテージそのものにほかならない」と表現しても、真っ向から全否定できる人はいないでしょう。アーミテージが激怒していたというのは驚きでした。そしてその怒りを払拭できていないのを知っていながら、「唯一の同盟国」を強調してきた石破防衛大臣の答弁に私が怒りを覚えました。

 だったら、その“罪滅ぼし”が、政府があそこまでこだわる、インド洋での給油活動なのではないでしょうか? おなじ海上自衛隊のオペレーションです。安倍前首相がくりかえした「国際公約」とは「イージス情報漏洩の償い」だったのではないでしょうか?

以上、4点が私の疑問であり、今後の展望です。

「君子は本を務む、本立ちて道生ず」です。安全保障のことは徹底的に基本からやらなければいけない。だとしたら参議院。そして今の外交防衛委員会はなかなかの論客がそろっています。この際、徹底的にやればいいんですよ。

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