やはり、ベストセラーカー「カローラ」に乗らずに、国産車を語ることは出来ないだろう。職場の旧いカローラバン(ディーゼル)にはしょっちゅう乗っているが、最新のカローラには、実は乗ったことがなかった。今回、試乗プレゼントの「ドラえもんグッズ」に引き寄せられるように、娘たちと共にトヨタカローラ札幌に向かった。
ディーラーに到着すると、セールスマン氏の丁重なおもてなしに恐縮してしまう。「ま、おかけください。とりあえずはお飲み物でも。娘さんたちにはジュースもありますよ!」と、クルマの話をするよりも先に、まずコーヒーをいただく。景品とカタログのみを目当てに来た私は、心が痛かった。
本当は「フィールダー」の方に乗りたかったのだが、この日試乗できたのはアクシオ(セダン)の1.5G(4WD・CVT)であった。左折を4回繰り返すタイプの、短時間の試乗なので、このクルマのおおまかな印象のみしか語れないが、とても静かで上質なクルマだった。前方視界も真っ当で、誰もが普通に運転できるであろう。また、CVTのフィールも悪くなく、アクセル開度と車速が一致しないような違和感は皆無だった。だが、その試乗車の価格を聞いて驚いた。なんと税込み190万500円(寒冷地仕様)!カローラはもはや大衆車ではなかったのだ。
フィールダーの試乗車は無かったが、展示車を見たところ、荷室のスペースは広大で、特に高さ方向に余裕があり、荷室容量は私のレガシィ・ツーリングワゴンよりも上かもしれない。また、ラゲッジルームランプがトノカバー下に装着されている点に、トヨタ流フィロソフィーを感じる。
フィールダーの1.8S(4WD・CVT)の寒冷地仕様価格は税込み214万4250円。ちなみに、レガシィツーリングワゴンの最廉価版2.0iカジュアルエディション(4AT)の価格は215万2500円である。この2車の装備をカタログで細かく比較すると、HIDヘッドライトはフィールダーには標準装備でレガシィは設定無し。アルミホイールとCDオーディオはフィールダーはオプションだがレガシィには標準装備。リヤシートセンターアームレストはフィールダーは標準装備だが、レガシィには設定なし。エアコンはフィールダーはオートで、レガシィはマニュアル。また、両車の10・15モード燃費は、フィールダー14.4km/L。レガシィは14.0km/Lとなっている。そして、一番大きな違いは、レガシィは重心の低い「水平対向ボクサーエンジン」と、低μ路等で信頼感ある走りの「シンメトリカルAWD」を持っていることである。さて、アナタなら、どちらを選ぶだろう。私はもちろん・・・
私見だが、カローラもシビック同様に、日本では居場所を失いつつあるクルマのように思えてしまう。今回セダンに「アクシオ」というサブネームを与えたが、コロナが「プレミオ」に変わったように、ユーザーとともに年老いた「カローラ」というブランドも消滅するのかもしれない。ちょっと淋しいですネ。