先日ネットを検索していたら、なんと「シビック・タイプR」の試乗車が札幌市内に存在することを発見!いまや希少なこの種のクルマを、やはり見逃すワケにはいかない。早速我々取材班は「HondaCars札幌 北32条店」へとフリーランダーを走らせた。
225psを8,000rpmで発揮するという、ホンダのVTECエンジン。やや緊張しながらもクラッチを繋いで発進すると、意外にも発進はスムーズ。ステアリングはやや重めだが、クラッチペダルは軽い。アイドリングに近い回転数でクラッチを繋いでも、まったくシビアなクラッチワークを強要することもなく、こともなくこのタイプRは走り出す。正直言って、私のレガシィ2.0i(5MT)の方が、よっぽど発進には気を遣うといえよう。
ホンダのVTECエンジンを走らせたのは初めての体験だったが、このエンジンはホント良く回る。エンジンビートも心地よく車内に響き渡り、カミソリのような加速をする。このクルマを合法的に公道で走らせるのは、拷問に近い。
ギア比が低いせいもあってか、試乗コースのような街乗りでは、3速ホールドでトコトコと走り、6速40km/hも十分実用域である。だが、そんな走り方はこのクルマには似合わない。やはり、それなりのスキルを持った人間が、エンジンを回してサーキットで走らせるべきクルマなのだろう。
そういうクルマだから、乗り心地に期待してはいけない。私が運転した後、尾車親方の運転の際に私は助手席に座っていたのだが、タウンスピードでは絶えず突き上げやヒョコヒョコ感があり、ドライバーはともかく、同乗者はロングドライブには耐えられないと思われる。ま、フリーランダーの後にコレに乗ったから、余計にそう感じたのかもしれないですネ。また、スピードメーターはとても見やすいが、相対的にタコメーターは確認しづらかったことも報告しておこう。
しかし、あえてこのようなクルマを、ミニバン全盛のこのご時世に、市場にリリースするホンダの姿勢は、やはり貴重である。とはいえ、このクルマをその存在価値が分かる域まで乗りこなすのは、素人ドライバーの私には無理であった。出来れば、フィットベースのそこそこスポーティな仕様のクルマが200万円前後の価格で出てきてほしいと、私は願っているのですが・・・