2009年の新車販売台数ランキングが発表された。
エコカー減税等の追い風を受けた、ハイブリッド・カーのプリウスが最も売れたクルマとなったのが今年の話題である。これも一つのブームというか、ある意味、プリウスは日本国内において今年一番のヒット商品だったかもしれない。あの価格でアレを売れるというのは、やはりトヨタの底力というか、政治力を含めたポテンシャルを感じる。ただ、偏屈者のクルマ好きの私としては、なにか白物家電のようにプリウスが売れていく風潮には、危機感さえ覚えるほどなのだが・・・
注目すべきは、登場後5年が経過したパッソが、ここにきて売上を伸ばしていることだ。パッソは、ラッシュと並んで私が好きな数少ないトヨタ車のひとつである。ちなみに、この2車は、実質ダイハツ製といってもいいかもしれない。スバルがトヨタからOEMを受けるなら、やはりbBよりもパッソの方が正解だったのではないかと、私は今も思っている。
また、登場して15年以上コンセプト不変のワゴンRが売れ続けているのも、やはりスゴいと思う。加えて、10位には地味ながらアルトが食い込んでいる。スズキというメーカーは、やはりしたたかで侮れない。
そして、30年以上トップセラーだったカローラの凋落ぶりが、時代が変わりつつあることを、ひしひしと感じさせる。加えてこのトップ10では、カローラ以外はすべて5ドア車であるという事実。クルマは趣味や嗜好ではなく、純粋に実用品として買われるようになりつつあるのだろう。
ああ、シルビアやプレリュードが、月に何千台も売れていた時代が懐かしい。クルマを語るという文化が、過去のものになりつつあるという事実を、私は受け入れたくはない。クルマについて、熱く語る人が誰も居なくなっても、私はここでそれを続けようと、気弱に、思っている。