尾車親方の発案により、アウディのお店へと出掛けた。アウディというクルマを運転したのは、私にとってはこれが初めての経験であった。
まずは、尾車氏のドライビングで、S3スポーツバックに同乗。
256psの2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジンを、フロント横置きに積むこのクルマ。アウディテクノロジーの真髄たるクアトロシステムを用いたフルタイム4WDである。税込車両本体価格は、535万円!それは私が普段吸っているタバコ「キャスター・マイルド」1万8449個分に相当する。
S3については、私はパッセンジャーシートでのインプレッションになる。エンジン音はアイドリング時でも結構耳に届いてくるようだ。だだ、イヤな振動は、車内にはまったく伝わってこなかった。6速Sトロニック(VW風にいえばDSG)のトランスミッションは至極スムーズで、ギクシャク感をまったく感じさせない。
そして、黒を基調にしたインテリアの質感は、アルミの加飾のあしらい方が上手く、極めて上質であった。いやあ、近年のVW/アウディグループのクルマの質感は、甚だしく高品質だ。困ってしまう。
続いて私は、A4アヴァント2.0TFSIをドライビングさせていただく。税込車両本体価格は536万円。「キャスター・マイルド」だったら1万8483個買える。
このクルマは211psの2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジンを、フロントに縦に積んで4輪を駆動する。全長×全幅×全高のスリーサイズは4,705×1,825×1,465mmで、車両重量は1,730kg。
ちなみに現行レガシィ・ツーリングワゴン2.5GTは4,775×1,780×1,535mmで1,510kgである。その成り立ちも、ボディサイズも、結構近い。
さて、走り出してみると・・・きわめて静粛に、ジェントルに、スリッピーな路面を舐めるようにシュワーッと直進していく様は、我がレガシィ2.0iをふた回りくらい大人にしたような振舞いであった。それに加えて電光石火のSトロニックのシフトワークと、極めて質感の高いインテリアを持っているのだから、もう、ごめんなさいと言うしかない。やはりスバルとアウディとの間にはまだまだ、深くて暗い河があるということを、まざまざと思い知らされた。ちくしょう。500万円以上の大枚をはたいてこのクルマを買う意義は、大いにあるとしか言いようが無い。私には、高くてとても買えませんが・・・