スバルがトヨタからOEMを受けて販売している、「スバルバッジのラクティス」≒「トレジア」を試乗させていただいた。
グレードは1.5i―SのAWD(税込車両本体価格:197万9250円)である。・・・けっこう高いクルマなのネ。
トランスミッションはCVTだが、ステアリングパドルが備わり、7速のマニュアルモードで走らせることができる。ま、今回の試乗では、これは使いませんでしたが・・・
今や主流の「電動パワステ」だが、センター付近の座りもしっかりしており、フィールは良好。
黒が基調の室内も、スポーティで、なかなか良い。
加えて、ステアリングに「テレスコ調整」が付いている。それは、本家ラクティスには無い、トレジア独自の装備である。
路面は前日からの雪で、ややシャーベット状態。
あえてAWDスイッチをオフにしてFFで走ってみたりもしたのだが、乱暴な運転をしない限りは、さほど痛痒なく走る。
このCVTが、またなかなかよく出来ており、アクセルオフでしっかりとエンジンブレーキが効く点が、大いに好ましい。冬の北海道を走るには、最適なロジックだ。
ただし、エンジン音は結構車内に侵入してきて、決して静かなクルマではないことは、報告しておきましょう。
同行した尾車氏の弁によると、このような雪道ではむしろ「SPORTモード」に入れておいた方が、エンブレの効きが増す上に、スロットルワークで車速をコントロールしやすいので、オススメであるとのことであった。
だが、大問題は、このスイッチが運転席からは完全に死角に入っており、一見で操作するのが困難な点である。ここは要改善点だ。
また、前出しされたAピラーの角度が、結構右左折時に邪魔になることも、大きなネガだ。
従来からのスバル車は、Aピラーの立ち方には配慮しており、視界確保という「アクティヴ・セイフティ」には長けていたのだが・・・
さらに、スバル的でない点として、「スペアタイヤが廃止され、パンク修理キットに変更されている」ことが挙げられる。
’08年10月、そして同年12月と、「パンク修理キットで対応できないパンク」に立て続けに2度も見舞われた私にとっては、この点は承服しがたい部分だ。
スタッドレスタイヤのブランドは、「ダンロップDSX」。しっかり曲がり、止まる。
トレジアというクルマの脚回りの性能のせいなのか、タイヤの性能によるところが大きいのか・・・
その辺は正直言って謎に包まれているが、この雪道での試乗において、まったく不安を感じることはなかった。
ダブルフォールディング式のリヤシートを倒すと、このように広大なスペースが出現。
スペースユーティリティーも、悪くない。
トレジア。なかなか良いクルマだと思う。
フロントマスクの意匠等は、私的には、本家ラクティスよりもこちらの方が好みだ。
だがしかし、スバルの魂に惚れてスバルに乗っている人が、あえてこのクルマを選ぶかどうか・・・
スバルディーラーさんの健全な経営のために、コアなスバリスト以外の一般ユーザーの方々が、このクルマを購入してくれることを、個人的には願っている。