続いて我々取材班2名が向かったのは、スズキのお店。
ターゲットは「クロスビー」である。
試乗グレードは、最上級の「HYBRID MX 4WD」(6AT:税込車両本体価格214万5960円)。
同社の「ハスラー」とほぼ同じイメージのデザインの、このクルマ。
だが、セールスマン氏曰く。このクルマは決して「ハスラー・ワイド」ではなく、言ってみれば「イグニスにハスラーイメージの衣を被せたクルマ」なのだとのことであった。
ほぼドライ路面となった今の札幌だが、試乗車は175/60R16のスタッドレスを履いていた。
ブルーの指針や加飾が鮮やかな、メータパネル。
同行のニータ氏は、「スタカンのカフェ・ブリュを連想しますネ!」と、微笑ながら語っていた。
上級グレードだけに、ステアリングはもちろん、革巻。
そのステアリングホイールに加え、メーターパネルや空調コントロールは、イグニスとの共用部品が多い。
シートは、一見肉薄だが、しっかりとカラダを支えてくれ、意外にコストが掛かっていると思料される。
スクエアなボディでウエストラインが低く、Aピラーもしっかり立っているため、視界は全方位に渡って、大いに良好。
こういう清々しい視界のクルマは、運転していてとても気分がイイし、ひいては「まずぶつけない」という、1次安全に寄与する。
路上では、案の定、非常に軽快な走りをする。
なんというか、アルトあたりにも通じる、イイ意味での軽さがある。
いわゆるNVHは、潔く見切っているというか、切り捨てている感じである。
勝手なイメージだが、それはまるでイタリアのコンパクトカーのように、このクルマを走らせる行為自体が、なんとも愉快痛快なのだ。
「SPORT」モードを選択すると、エンジンとトランスミッションのツキが歴然と向上し、高回転を維持したチャキチャキ感溢れる走りとなる。
まあ、個人的には、「MTで乗れれば、モード選択スイッチなんて不要なんだけどなァ」と思わないでもないが。
いわゆる「自動ブレーキ」がマストとなりつつあるこの世の中では、MTはシュリンクせざるを得ないのかも・・・(涙)
汚れ物も、気兼ねなく放り込める、ラゲッジフロア。
そこにある「ラゲッジアンダーボックス」も、気兼ねなく汚れ物が放り込める、プラスティック加工。
スペアタイヤ未装着なのは、近年のクルマのトレンド(?)なので仕方がないか・・・(涙)
とはいえ。スズキのクルマは総じて、運転していて、とても愉しい。
曖昧さがなく、実直で素朴で、ストレートなのだ。
ああ、自分も、このクルマのように、生きてみたい・・・