読書と夕食

肉じゃが：皮付き新ジャガ＋ニンジン＋しらたき＋牛薄切り肉をオリーブオイルで炒め、日本酒＋本みりん＋昆布出汁＋薄口醤油＋赤唐辛子

おろし和えサラダ：キュウリ薄切り塩もみ＋トマト、大根おろし＋米酢＋醤油であえる

そういえば、今朝方は御岳から乗鞍まで見えていたな。このシーズンでは珍しい。多分上空は冬並みということだったのだろう。山々はまだ雪化粧だった。

 あいにく稀覯本に関心もないし、シェイクスピアにも関心がないのだが、どういうわけか、所有するiPodには「Shakespeare app」を入れてから久しい。たまにappを開いて覗いては数行読んではため息をついて、appを閉じてしまう。とはいえ、最近に読んだサイモン・ウィンチェスターの『博士と狂人』や『クラカトアの大噴火』だけでなく、蘊蓄ぶかいノンフィクションの著作を読むのは趣味と言ってもよいだろう。本書はまさにそうした一書だ。

本書は、所在が知られている232冊（本書の出版以降に発見されたものがあり、これを書いている段階では234冊になっているようである）のシェイクスピアの「ファースト・フォリオ」本のカタログ作成の余話集である。稀覯本は好事家の古書収集者にとって見ると、書き込みのないきれいで保存状態の良いものかもしれない。しかし、書誌学の専門家である著者からすると、かつての所有者のサインや蔵書票、書き込み、挟み込まれたもの、検閲の結果の消去、印刷や校正上の差異など、多種多様な情報がシェイクスピア書誌学、ひいてはシェイクスピア研究に寄与することになる。誰がどのような手順を経て誰から入手し、誰の手に渡ったという来歴もまた、重要な情報となる。

本書に記される少なからぬ余話は、盗難や限りなく盗難に近い紛失、虚偽の情報に関わるものである。「ファースト・フォリオ」は一冊が600万ドルの値段で取引される可能性があるそうだが、著者らのカタログの完成によって、世の中に現れるとその由来が個人コレクション、盗難、紛失など、どのような経緯をたどったものかが、明確になっていくようになっているので、直接古書市場にでるよりもブラック・マーケットに流れることになって取引価値が10分の一になってしまうそうだ。

友人が70年代８？）キブツで暮らしたことがあり、その話を聞かせてもらったことがあること、別の友人が第一次インティファーダの頃にテルアビブの大学の学生（あるいは院生）だったのでその恐怖の体験談を聞かせてもらったことがあるぐらいで、ほかは、イスラエルについては一般的な知識があったぐらいだが、最近、エストニアの電子国家に興味が湧いて情報収集し始めたころから、イスラエルにも関心を持ち始めていた。インターネットの技術や最近の自動運転の技術、車のセンサーなどの技術がイスラエルのベンチャーが開発していることを知り始めたときに、本書のことを知った。車の近未来、つまり、人間の運転する車と自動運転の車が混在する状況について、あまり自分が運転者としては関わりたくないと思っているのだけれど、技術動向は興味がある。

しばらくはイスラエル・ウォッチを続けてみることに使用と思う。