すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

造化の主が遣わした

2011年08月30日 | 雑記帳
 植物オンチを自称するくらいなので、その花の名前は知らなかった。

 先週立ち寄った道の駅で、端の棚に鉢ものがいくつか並べられていて、一緒にいった連れ合いが「あっ、サギソウ」とつぶやいたのだった。

 一見、本当にか細くどこにでもある草のような茎をしているが、近くに寄りたった一輪だけ小さな花をつけている姿を見て、「サギソウ」と名付けられた訳が一瞬にしてわかった。

 まさに鷺の飛ぶ姿。
 両翼はもちろん、尾羽もある。
 こんな花はめったにないなあと素直に思い、まだ咲かない蕾みの鉢を一つ買い求めてみた。

 「水をきらさぬこと。直射日光を当てないこと」…店の方が話した注意はこの二つだけ。ずぼらな自分でも大丈夫だろう。冬越しはまた追々考えるとして…。

 
 買った日からちょうど一週間目の朝、白く可憐な姿を現した。

 「放春花」以来になるが、鉢花をマイフォトに加えることにする。
 http://spring21.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-3809.html

 うまく撮れてはいないけれど、その形だけは理解していただけるだろう。

 たまたま読んでいた『秋田歳時記』という本に、サギソウのことが載っていた。

 その造化の妙は、いつも地上で空をとぶ鳥を見上げ、いつかは大空を飛んでみたいと願う草花を憐れみ、造化の主がこの鷺草を遣わしたとしか思えない

 共感する文章である。

 じっと見つめていると、何か温かいものを浮かんでくる。