すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

あなたの情報が吸い取られる

2017年01月13日 | 読書
Volume35

 「あなたがその本について知る以上に、本があなたを知ることになるのです。紙の本ではこうしたことは起きませんが、電子書籍に関しては人と本の関係が変化していくことを認識しておく必要があるでしょう。」


 歴史学者ユバァル・ノア・ハラリが、「ホモ・サピエンスと言葉」と題されたインタビューで、締め括りとして語った。
 キンドルつまりアマゾンが読者の行動データを集めていることを例として出している。

 「本」と特定しなくても、ネットにおけるデジタル情報は全てそうした面を持っていることに気づいている人は多い。

 典型的なのはネット通販。
 自分の購入履歴はもちろん、閲覧履歴が画面に反映されていることに辟易しながらも、だらだらとそれに目を落としている者は、どれほどの数に上るだろう。
 もちろん、自分もその一人と認める。



 自分が情報を得ようとしたときに、それ以上に「自分の情報」が吸い取られていくということに無関心ではないと思うが、飼い馴らされている現状も強いように感じる。

 かつて東浩紀が述べた「総記録化社会」は確実に進行し、「人工知能とビッグデータ」に支配されていく世の中…。
 様々な問いをネットに語る便利さと同時に、その意味は深く考えてみなければならない。

 同時にゆとりを持って、その技術の進歩をからかってみるように醒めた視点もほしい。

 先日トーク番組「人志松本のすべらんなあ」で、バカリズムが語った、アマゾンを使っていろいろ試して遊んでいる話(億単位の高額な物品をカートに入れてみる)は、技術を面白がっているように見えて、興味深かった。

 肩の力の抜け加減も大事なことだ。