すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

桜の見方に気づかされる

2017年04月19日 | 雑記帳
 震災のあった春、弘前の桜を観にいったことを皮切りに、毎年東北各地の桜の名所を訪れることを決めた。齢を重ねていることとは無関係ではないと思う。目に収めたいと気持ちが逸ってくるのは、ある意味の老化防止になると期待も込めている。去年は福島三春の滝桜、そして今年は宮城の白石川堤一目千本桜だ。


 ちょうど今朝から秋田魁新報紙に「2017東北桜めぐり」という記事が掲載されている。何回か続くだろう。そしてそのトップがこの白石川堤一目千本桜だった。新聞には「大河原町」とあるが、実際は「柴田町」の方が有名のようである。記事の写真も「しばた千桜橋」付近からのアングルだ。同じ付近で私も撮った。



 全長8キロ、1200本はさすがに圧巻。しかし休日を避け、天気も見計らって出向いた月曜日の混雑は予想をはるかに超えていた。途中高速も使いながら柴田町までが約3時間、しかし駐車場に入るまでの渋滞で2時間ほどかかった。若い頃ならすぐに立腹したが、最近「心穏やかな」老木の表情を手本にしているので(笑)。



 係の方の話によれば日曜より混んでいるとのこと。これは開花状況や天気もあるが、やはり訪れる客層という理由が大きいだろう。つまり高齢者中心である。駐車場から観桜ポイントに近い場所まで巡回バスに乗るとわかる。「平均年齢60代後半」と一目で予想できる。それから目につくのが、近隣諸国からの観光客だ。


 経済的にいいことに違いないし、もう一つ、桜の見方に接する時、私たち日本人の持つ心性に思いを馳せることも刺激になるのではないか。少し風が出て、桜が散る。その様を見上げる時に持つ無常、潔さなどを、外国人の多くはおそらく感じ得ないのではないか。時代を超えて根付いている価値感に気づかされる。