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先を行く人は…

2017年04月27日 | 雑記帳
 あの復興大臣の失言も、その前の地方創生大臣の学芸員に関する失言も、結局「経済最優先」の見方で括られるような気がする。もちろん、復興や創生は経済抜きであり得ないのだが、人はそれのみで動かないという肝心な点が抜け落ちた。先に立つ者は、個の価値観全体が否応なく晒される世の中になっているのだ。



 お世話になったT先生が逝去された。同職こそしなかったが若い頃からとても可愛がっていただいた。採用になった時に近隣校にいらして、公民館活動等のキャンプの手伝いにいつも駆り出された。今思えばひと夏に4回ということもあった。その度に次の日は酒場に直行というパターン。いつも先頭はT先生だった。


 先生が50代前半のときに衝撃的なご自身に関わる話を聞いた。中味は広言できないことだが、三十数年前のその話を今でも覚えているほどだ。一言で表すとそれは「バイタリティー」。教職を辞してからも地域のため積極的に動かれ、高齢者のお手本とも言うべき毎日、まさしくバイタリティーの善用と称されると思う。


 先生の二人のお子さんとも旧知であり、一昨日偶然路上で逢いお悔やみを申し上げた。「絶対に死なない人かと思っていた」と軽口を叩いたら笑顔で頷いてくれた。ご葬儀の挨拶で、家族と一緒に過ごされた入院の日々に、ある種の幸せ感が漂っていたのはT先生の充実された日々を物語る。先を行く人はこうありたい。合掌。