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「かならず選挙に行く」という笑い

2017年04月12日 | 雑記帳
 先日観たTVのお笑い番組でANZENという漫才コンビが「かならず選挙に行く」というオチを繰り返すコミックソングを歌っていた。昨年末あたりから知られていたようだが、その曲の入ったCDが4/19に全国発売されるという。認知度も一層高まることだろう。確かに笑いを誘うが、少し複雑な感情が湧いてくる。


 このPRビデオでもわかるように、どんな状況にあっても、またその意義を理解しなくとも「必ず選挙に行くという決意をし、出かける」可笑しみをネタにしている。つまり、それが笑いの対象になるほど、選挙は褪めた目で見られている。また同時に、投票を呼びかける公報をからかっていると言えるかもしれない。


 何故そうなのかは、多様な視点から考えられる。18歳選挙権への対応でバタバタした感のある学校教育にも、問題の一つがあったことは言うまでもない。確かに6年生から憲法や政治について学ぶ機会があるけれど、それは「有権者教育」と呼ぶにはかなり浅いという事実は、中高でも似たようなものではなかったか。


(2017.4.11 北沢峠より)


 「選挙に行く」とは「投票行動をする」ことであり、その「意思決定を行う」ことである。政治参加を前提に特化した学習も必要だろう。また「意思決定ができる力」を様々な場面を通じて養うことが必須だ。それは情報収集の方法から始まり情報ソースの確認などの手順を踏み、確かなリテラシーを育てることだ。


 本県は首長等の選挙が終わったばかり。狭い地域の中で制約は多いだろうが、中高ならこの選挙の教材化は十分可能だ。「投票行動を決定する」プロセスをたどってみることで、「耳障りの良い言葉」だけで判断しない習慣を培いたい。「かならず選挙に行く」が本当の笑い事かどうか、この国の民度が問われているのだ。