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先輩!今も飲んでいますか。

2017年05月08日 | 雑記帳
 「コーラもトクホになったんだ」としみじみ思う。書き出してから「なぜ、しみじみなのか」と考え始め出してみる。やはり、コカ・コーラに対する世代的?個別的?イメージなのだろう。例えば初めて飲んだ時「クスリくさい」と思った…例えば「コーラは身体に悪い」と言われた…例えば「コーク」と呼んでいた…



 幼い頃、自分の周りにまだコーラはなかった。ハレの日の飲み物はサイダーかオレンジジュースだった。小学生の何年生か思い出せないが、初めてコーラを口にした印象は「ウェッ、クスリクシャ」だったと覚えている。ただ、あの独特のボトルスタイル、おっしっかり掴めるぞという高揚感はあったような気がする。


 高校一年生だった。その光景は今でも覚えている。一つ上の先輩と一緒の帰り道だった。唐突に私に向かって「俺よ、コーラ中毒なんだ」と口を開いた。「えっ何?中毒って、しかもコーラ」と思った。告白的な口ぶりは、どこか自慢げでもあった。コーラの文化が浸食し始めた頃と言えるか。風紀委員会の先輩だった。


 大学の時、ずいぶんと聴き込んだグループ「ディランⅡ」に『パラソルさして』という曲がある。コカ・コーラの広告塔の影に守られた夏が、人気のない公園にポツンと君を…という出だし。当時「詩と音楽」というゼミに所属し、「これは、日米関係の象徴でしょ!」などと口走って、何かを知った気になっていた。


 教職に就き、実践発表の機会があった。教室での授業を伝わる形で発信するため「論文審査」も受けた。初めて活字になり商業ベースの本に掲載されたのは「清涼飲料水と健康」と題した学級活動。コーラの糖分量の視覚化から展開するプランだ。…それから30年が過ぎ…今や、トクホですよ、先輩!飲んでいますか。