すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

三連休に子どもの心を

2018年09月25日 | 雑記帳
 三連休、土曜日と日曜日は当町の鎌鼬の里芸術祭へ。美術館開館当時から撮影ボランティアとして協力しているので今年もお声をかけていただいた。舞踏には全く縁もなく知識もないのだが、芸術祭全体へ参加してみると刺激になることも多かった。郷土芸能や稲架体験など地域文化に根差す方向性にも賛同できる。


 初日はなんといっても詩人吉増剛造が登場すると聞いて楽しみだった。詩を多少かじっている者なら、いかにビッグネームかわかるはず。私も遠い昔、詩集を手にしたことがある。様々な話題について語り、詩を熱く朗読する姿から発するエネルギーは長谷山邸の3階からあふれ出るようだった。濃密な場であった。


 美術館の核である土方巽のことから宮沢賢治まで、いくつかキーワードが挙げられた。有りがちだが「子どもの心」というフレーズは心に残る。発見、感動、没頭という教育の世界でもよく使われる語の意味を、もう一度捉え直したい。規律や秩序の重視が不寛容さを広げている今の状況ゆえに、ことさらにそう思った。


(舞踏中であっても平気で話しかける子どもたち)

 二日目のシンポジウムは「東北の写真学」をテーマに語られたが、舞踏はもちろん前日のシンポも含めて、何やら昨日書きつけた「身体脳」に集約されるような気がしてきた。頭で考えるのではなく、全身で事象や対象に反応していく人間としての核について語れば、自ずと風土や子どものことを考えざるを得ない。


 かつて勤めた学校で一緒に過ごした子たちが成長し、県内外からスタッフとして参加している。話を訊くと今の充実と展望が見えてくるようで嬉しい。自分も30代後半はそうだったかと、ふと懐かしくなった。しかし「復路」を歩み始め子ども返りをしている現在、と思えば楽しい。昨日は墓参へ、ご先祖様に感謝した。