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赤ペン持って読み取れ

2019年09月29日 | 雑記帳
 この職場になってから初めての避難訓練というか自衛消防訓練を行った。非常時の機器、設備等への慣れは肝心ではあるが、つい後回しになりがちなので、こうした機会にこそじっくり学び、確かめる必要がある。学校現場でも同様だった。要は「いざ」という時に動けること。そのためには、心理的な要素が大きい。


 どうしても忘れられないのは3.11のとき、こんなふうに日録的なことを書く習慣があるので、残しておいたメモを見返すこともできる。それにしても人間とは慣れる動物である。あの時に心に決めた備蓄、非常時のための準備物など、かなり心許なくなってくる。車のガソリンや電気以外の燃料確保等も、ついつい等閑になり、「平常時は続く」という思い込みをまた大きくしているのではないか。


 3.11の余震が続くなか間近に迫った卒業式をどう進めていくか、あれほど様々なパターンを想定して組み立てたことはなかった。授業時の子どもの予想反応への働きかけを考える以上に悩んだように思う。一瞬の判断が生死を分けたという重い事実があるので、軽々しく口にできないが、瞬発力が大きなカギになる。


 それはどんなふうに養われるものか。おそらくは場を踏むということに尽きるだろう。ただ危機管理的事態に関しては、誰しも実際に起こることを期待してはいないので、いかにシュミレーションするか、もしくは修行をするか…いや下手な計画立てより、具体的に使える内容を学べ!ともう一度「非常用」を見つめる。


 するといくつか気づかされる。非常時のマニュアルとは、いわゆる手順を示しているが、その通りにならない不測事態が必ず発生する。思い込みや四角四面的な考えが引き起こすものだ。それを防ぐには局面理解要点把握が必要だ。マニュアルの本質は赤ペンを持って読み取ること。それが瞬発力の発揮につながる。