すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ビブリオ風に書いてみました

2019年10月22日 | 読書
 ビブリオバトルのことを書きながら、改めて本の紹介は難しいと思った。このblogの「読書」で挙げているのは、形は決めつつ単に感想メモと割り切っているから、だらだら綴っていると今さらながら思う。本気を出して(笑)ビブリオ風に書くとすれば、こんな感じかと読了した二冊で試す。出だしの1分程度ということで…。


2019読了94
『アーモンド入りチョコレートのワルツ』(森絵都 角川文庫)


「〇〇のように生きていきなさい」…あなたがもし友達にそんな声かけをするとしたら、〇〇にはどんな言葉を入れますか?有名な人や憧れるスターの名前?それとも好きな花とか動物とか?この小説の主人公が、あるおじさんにささやかれた一言は、「アーモンド入りチョコレートのように生きなさい」だったのです。

「サティのおじさん」と呼ばれるそのフランス人は、通っているピアノ教室にある日突然姿を現わし、主人公と友達の君絵のレッスンに刺激的な時間を与えてくれます。週に一度のワルツ・タイム。繰り返される日常に巡ってくる特別なひとときは、何をもたらしたのでしょうか。この小説は読者に「不変」とは何かを…



2019読了95
『読んでいない絵本』(山田太一 小学館文庫)


 これは絵本ではありません。題名につけられた「絵本」がどんなものか、小説に登場する人物にもわかっていません。もちろんそれは「読んでいない」からです。ただ、そう書いているということはきっと「読みたい」のだと思いませんか。しかし、この小説は「ひるんで私はまだ読んでいない」と締め括られるのです。

 主人公の「私」が「ひるむ」ほどの出来事が話にあると予想できるでしょう。ライターである「私」は、昔間借りした家が今はどうなっているか、気まぐれにその場所を訪ねます。当時隣家に起こったある出来事を回想しながら、32年ぶりに訪れたその土地には、新しくマンションが建てられていました。そこに掲げられた名前はなんと…。



 ちょっと堅過ぎるかなあ。パフォーマンスが入れば、また違ってくるとちょっと楽しい想像をしてみる。