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ビブリオバトル参観記

2019年10月21日 | 雑記帳
 隣市で開かれた中高生による「ビブリオバトル」の大会を観に行った。名前は聞いていたがその手法について意識したのは、今年になってからだ。だから生で見たのは初めてで、興味深かった。県の読書推進施策の一つとして取り上げられていて関連図書には目を通したが、やはり実際を見ると様々な考えがちらつく。


 ビブリオバトルとはもともと「書評合戦」を指す。生徒を対象にする場合は読書紹介ゲームと言っていいのかもしれない。最終的に「どの本が読みたくなったか」という基準で評価しあう。「5分間」という発表時間が決められていて、やはりここが一つのポイントだと思う。つまり5分間の表現を競うことが主である。


 マニュアル本に「なぜ5分なのか」という問いを立て、次のような説明がある。「だれにもじゃまされずに、自分の好きな本のことについて、好きなように話していい。本との出会いを語れば、発表者自身のことを語ることになる」。なるほどと納得する。しかし、準備のステップは必須である。指導?も必要になるだろう。


 「読んで面白いと思った本」を紹介する場合、「面白いと思った箇所」や「そう思った自分との関わり」が必要になる。それをどんな形にして提示することが効果的か考え、言語化する。結構骨の折れることだ。文字表現なら感想文、紹介文であるが、音声表現なのである。二つのハードルの高さの違いは決定的である。


好きなように話していい」という本質通りの楽観的な取組みでは、今のところ無理だなと感じた。だから結局は、読んだ本についての弁論大会風になってしまう。発表後に2分のディスカッションが行われるが、盛り上がりに欠ける。この「遊び」のルールを機能させるには、きっと多面的な積み上げが求められる。