今頃は、本を読んで、日にちをかけて、本から言葉が浮かび上がるのを待っているような読書をしております。その言葉の断片を本にあたって捜すのです。時間が経つほどに、それがどの本だったのかを忘れる度合いが多くなるし。
足立倫行著「妖怪と歩く 評伝・水木しげる」(文藝春秋)を読んでから、そのようにして、あの言葉がどこにあったかなあと思ったりするのでした。
そのエピローグでラバウル郊外のトペトロのいた村へ行ったときの、足立氏の感想に
「傍目にも決定的な村人とのコミュニケーション不足を、水木氏は、持ち前の柔軟性でやすやすと乗り切った。その根底にある『他人に多くを期待しない(期待すると失望も大きい)』という考えは、小学校卒業以降の水木氏を支えてきた自立の思想でもある。」(p352)
最近、ボランティアの会議へ定期的に行くんです。
すると、どうしても口調が、こうしたらいいとか、ああしたらいいという風になって、それが他人への期待として語っている按配になることが多かったのです。ちょっと自分の話し方をかえなきゃいけない。と思っております。どうしたらよいのか。と思っております。すると外山滋比古氏の本と、この言葉が思い浮んだというわけです。
せっかくですから、水木氏の戦争体験が、その後に、どう影響していたのか。
ということが分かるような箇所。
水木氏は、対談でこう語ったそうです。
「やっぱり戦死した人ですよ。私は戦後二十年くらい、人にあまり同情しなかったんです。戦争で死んだ人間が一番かわいそうだと思ったからです」(p183)
「・・・不思議に思った。その時にはまだ水木が、『(戦争で死んだ人間が一番かわいそうだから)めったなことで他人に同情しない』ということを知らなかったせいもある。」(p208)
足立倫行著「妖怪と歩く 評伝・水木しげる」(文藝春秋)を読んでから、そのようにして、あの言葉がどこにあったかなあと思ったりするのでした。
そのエピローグでラバウル郊外のトペトロのいた村へ行ったときの、足立氏の感想に
「傍目にも決定的な村人とのコミュニケーション不足を、水木氏は、持ち前の柔軟性でやすやすと乗り切った。その根底にある『他人に多くを期待しない(期待すると失望も大きい)』という考えは、小学校卒業以降の水木氏を支えてきた自立の思想でもある。」(p352)
最近、ボランティアの会議へ定期的に行くんです。
すると、どうしても口調が、こうしたらいいとか、ああしたらいいという風になって、それが他人への期待として語っている按配になることが多かったのです。ちょっと自分の話し方をかえなきゃいけない。と思っております。どうしたらよいのか。と思っております。すると外山滋比古氏の本と、この言葉が思い浮んだというわけです。
せっかくですから、水木氏の戦争体験が、その後に、どう影響していたのか。
ということが分かるような箇所。
水木氏は、対談でこう語ったそうです。
「やっぱり戦死した人ですよ。私は戦後二十年くらい、人にあまり同情しなかったんです。戦争で死んだ人間が一番かわいそうだと思ったからです」(p183)
「・・・不思議に思った。その時にはまだ水木が、『(戦争で死んだ人間が一番かわいそうだから)めったなことで他人に同情しない』ということを知らなかったせいもある。」(p208)