和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

沸々と満ちる。

2010-05-16 | 短文紹介
産経新聞を購読しております。
それが、1月1日からはじまって、この5月まで、そのままに貯まってる(笑)。
ああ、どうしよう。このまま忘れて処分するか。コツコツ切り抜くのか。
やるべきか、やらざるべきか、それが問題なのですが。まだまだだよ、なんて気分だからいけません。それとは、別に朝日新聞の古新聞をもらってきては、手でぺージを切りとることをしております。こちらは、毎回もらって来ると整理してます。その朝日の5月2日の読書欄に江上剛氏の書評で鶴見俊輔著「思い出袋」が取り上げられておりました。
そこから、

「・・・まずなによりも名文だ。論理的であるがゆえに、その内容がいささかの抵抗もなく心に浸透していく。文章を読むことの心地よさをこれほど味わえることはめったにない。
私はサラリーマンを長く務めてきた。その間、たくさんの稟議書を書いてきたが、本書は絶対に参考になる。最初の1行にテーマが打ち出され、それに対して著者の考えが具体的事例を伴って演繹的に展開される。最後に結論としての考えと、課題が提示される。著者は10代の多感な時期をアメリカで暮らしたためにこのような論理的明晰さを身につけたのだろうが、本書に倣って稟議書を作成すれば難しい案件も容易に承認されるだろう。俗っぽい実益的な読み方を提案してしまったが、本書の眼目はなんといっても『疾風に勁草(けいそう)を知る』の例えのごとく生きる強さだ。どのエッセーからも泉のように生命力があふれ出て来る。人生に疲れた人は、読むごとに本書を机上に伏せ、目を閉じ、著者の言葉を心で反芻してみるとよい。沸々とエネルギーが満ちるのを感じるだろう。どの言葉も人生への真摯なアフォリズム(箴言)となっている。・・・」

う~ん。またこの岩波新書を取り出して読みたくなります。
コメント
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