和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

七十年過ぐ。

2015-01-04 | 短文紹介
1月は、産経新聞と読売新聞の2紙をとる。
コラムの産経抄と編集手帳と、同時に読める贅沢(笑)。

産経新聞の元旦一面左は、
「年のはじめに」と題して論説委員長樫山幸夫氏。
「戦後70年を迎えた。」と、その文は始まります。

産経抄(1月3日)は、こうはじまっていました。

「若いころは、嫌で嫌で仕方がなかったものが、
気がついてみると自ら好んでやっている、
という習慣・・・大みそかから正月三が日に
かけて何をするわけでもなく、だらだらと飲み
食いし、テレビをつけっ放しにして過ごす
大人になるなぞ想像もできなかった。」

なかほどに、箱根大学駅伝が登場。
「今年は青山学院が5区で本命を逆転し、
初の往路優勝を遂げる驚きもあった。」

つづけます。
「チャンネルを変えれば、ふだん見ない
大学ラグビーが目に入ってくるのも
つけっ放しの効用である。終了間際、
13点差をつけられていた筑波がトライを
2本立て続けに決めて大逆転し、
決勝に駒を進めたのも驚きだった。
両校選手に共通していたのは、
『絶対に諦めない』という気持ちが
他校よりも勝っていたように酔眼にはみえた。
人生を諦めかけている中高年には、
何よりものお年玉である。」

しめくくりは、こうでした。
「日本にはまだ余力がある。
こびず、諦めない若者を一人でも多く
育てたい。そのためには中高年がまず、
太平の惰眠から覚めねばなるまいが。」


うん。編集手帳(1月3日)も紹介。

「いつも初詣に行く神社には、拝殿につづく
長い石段がある。息を切らし、ときどき休み
ながら・・・」とはじまります。

「きまって思い出す詩」として
井上靖の詩を一部引用してから、

「迎えた年は戦後70年の節目にあたる。
多くの人がそこにたたずんで来し方を
顧み、行く末を見つめるはずである。」
とあり

しめくくりは
「階段をのぼりはじめた子供たちのために、
ひたすらそのために、大人の知恵はある。」


ということで、
あらためて、読み返したのは
読売新聞(元旦)の文化欄。

その短歌は岡野弘彦氏(大正13年生れ)
の3首からはじまっております。
題して「七十年」。

いさぎよく 帽振りゆきしおもかげは
 老ゆることなし。七十年過ぐ

後につづく者はなかれ と言ひおきて
 発ちゆきにけり。征きて還らず

命果つる日まで思はむ。南(みむなみ)
 の海底ふかく 果てゆきし友
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