和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

世界は一冊の本。

2015-01-26 | 詩歌
産経新聞に「歌会始の儀」での短歌が
並んで掲載されており(1月15日)読みました。
その感想。

今年のお題は「本」。
BOOKにまつわる歌がほとんどなのに、
何人かは、別の発想をしておりました。
そこに魅かれます。

天皇陛下

 夕やみのせまる田に入り稔りたる
   稲の根本に鎌をあてがふ

秋篠宮さま

 年久しく風月の移ろひ見続けし
   一本の巨樹に思ひ巡らす

長野県 木下瑜美子さん(74)

 大雪を片寄せ片寄せ一本の道を
   開けたり世と繋がりぬ



そういえば、
と本棚から2冊取り出す。

長田弘著「世界は一冊の本」
「大木惇夫詩全集」3(金園社)

ここでは、大木惇夫の詩を引用。

 
    大きな書物  

 自然は 大きな本である、
 字のない生きてる本である。

  空のペーヂに雲がある、
  虹が出る、
  ふかいさとしを 僕は知る。

  土のペーヂに麦がある、
  芥子(けし)が咲く、
  花は語るよ、僕は聴く。

  水のペーヂに蘆(あし)がある、
  風が立つ、
  波に書いている、僕は読む。

 自然は 大きな本である、
 こころの眼で見る本である。


もどって、
産経新聞の、その記事から
すこし引用。

「宮内庁によると、陛下は
皇居内で毎年、種もみから育てて
伊勢神宮にも供えている稲を、
秋の夕闇が迫るなかで刈り取った
時のことを詠まれた。」

「宮内庁は14日付で、
来年の歌会始のお題を『人』とする
募集要領を発表した。応募は未発表の
自作で1人1首。『人』の文字が
入っていれば、『ひと』だけでなく、
『じん』『にん』などと読んでも構わない。」

今年、
私は読めるでしょうか?
「一冊の本」という世界。


コメント
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