和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

新年古本届く。

2015-01-08 | 地域
昨年の暮れに、注文してあった
古本が届く。年末で今年発送されたもの。

ふるほんラヂオ(京都市北区衣笠北荒見町)

「故事ことわざ辞典 日本語をさばく」
(あすとろ出版)300円
臼井吉見編集解説「現代教養全集22」
(筑摩書房)300円
谷沢永一著「回想開高健」
(新潮社)200円
茨木のり子著「倚りかからず」
(筑摩書房)200円

合計1000円+送料315円=1315円

「故事ことわざ辞典」は
引きやすそう、パラリとひらけば
こんな箇所。

【選んで粕を掴む】
あれこれと条件をつけて選択していると、
かえって粕――つまらないものを掴む
ことがある。選り好みもほどほどにしないと
失敗するという戒め。

解説も短文で端的で、うれしい(笑)。

「現代教養全集22」は「生活の科学」。
パラリとひらけば、木下是雄氏の文も
選ばれて掲載されている。
木下氏は、昨年亡くなられておりました
(1917年(大正6年)11月16日~
2014年(平成26年)5月12 日)。
現代教養全集22に選ばれた木下是雄氏
の文は「棄てる」。5頁ほどの文
を読んでみる。

はじまりは、ファイリングの教科書を読んだ
ことから始まっておりました。

「一箇所ギクリとさせられたところがあった。
それは『保管とは、いらなくなった書類を
ステルことだ』と喝破した章である。」

「このステル作業、あるいは保存年限の
判断には最高責任者が当るべきだと付記
してあった。」

さて、例によって最後の方も引用。

「かつて小学校では
『紙はウラまで使いなさい』と教えた。
やがて『いらない紙はキチン、チキンと
ステなさい』・・と教えるようになるだろう。」

お終いはこうでした。

「オボエル術があって積極的にワスレル妙手
がないと同様に、生産工学はすさまじい発達を
とげたが、ステル工学は未開発である。
回収、再生産の回路を確立できれば
ステル工学として上の上だ。しかしステル、
ステラレタものを集めるだけでも、生産工学の
発達とともに問題は日に日に深刻化し、
技術的にもむずかしくなりつつある。
工場の汚水、煤煙、ボタ山、新しいものでは
原子炉の廃棄物、うっかりしていると地上も、
海も、クズやゴミで汚れて人間の住む空間が
なくなる。ステル工学の発達を望むや切である。
(「自然」昭和35年7月号)」

はい。
木下是雄集3(晶文社)の
「日本人の言語環境を考える」は
忘れられない一冊。それが中公文庫に
「日本語の思考法」として2009年に
はいる。どちらも棄てずにありました。
この機会に、そこに入っている、
『言語技術教育に取り組む』を、
まずは、今年最初に読み直してみます。

谷沢永一著「回想開高健」は
どうしても、本文に線を引けなかった一冊。
それが、200円なら気楽に線がひけます(笑)。
もう一度、この機会に読み直してみます。

あとは、つい出来心で、
「倚りかからず」も買ってしまう。


うん。棄てずに残しておいたら、
一番大切な、時間が棄てられていた。
なんてことがないように、
今年一年を過ごせることを願って、
新年のお屠蘇気分を、
今日で切り換えます。



コメント (2)
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