和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

一度、紙に。

2015-03-01 | 短文紹介
雑誌WILL4月号に
猪瀬直樹氏へのインタビューが
掲載されております。

興味深かったのは、
猪瀬直樹著「救出」(河出書房新社)
を語っている内容でした。
インタビュアーが
こう語っておりました。

「東日本大震災発生直後、
津波と火災によって気仙沼市中央公民館の
屋上に取り残された446人が奇跡的に
救出されるまでを、丹念な取材を基に
描いていくノンフィクション。
作家・猪瀬直樹の本格的な復活を感じさせる
一冊ですね。」

気になった箇所は、
ここでした。

猪瀬】 ・・僕のツイッターには大量の情報が
寄せられてきていたので、そのなかには
信憑性の乏しいデマ情報も多く、情報を精査
する必要があった。そこで、『一度、紙に
刷りだそう』とA4判の紙に出力したんです。
かなりの分量になったのですが、そのなかから
一通のツイートに目が留まった。それが鈴木さん
から転送された直仁さんのツイートでした。
一読して文章の真実味が伝わってきました。

――デマ情報も多くあるなかで、なぜこの
ツイッターの内容が真実だとわかったのでしょうか

猪瀬】 何よりも文章の5W1Hがしっかりして
いた、ということになります。
次のような文章でした。
『「拡散お願いします!」
障害児童施設の園長である私の母が、
その子供たち10数人と一緒に、避難先の
宮城県気仙沼市中央公民館の3階にまだ
取り残されています。下階や外は津波で
浸水し、地上からは近寄れない模様。
もし空からの救助が可能であれば、
子供達だけでも助けてあげられませんで
しょうか』
ツイッターの制限枠である百四十字のなかに、
状況が正確に説明されていた。

(p147)


うん。
ということで、
猪瀬直樹著「救出」を注文することに。
コメント
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