和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

手に馴染んだ言葉。

2015-03-22 | 書評欄拝見
産経新聞書評欄(3月22日)に
浜崎洋介(文芸批評家)氏の書評で
福田恆存(つねあり)著
「人間の生き方、ものの考え方」
(文藝春秋・1500円+税)を
とりあげておりました。
そのはじまりを引用。

「福田恆存を読み始めるには何がいいか
という質問を受ける度に、しばしば私は
答えに窮してきた。が、『人間の生き方、
ものの考え方』を読んで、その迷いにも
ようやく決着がつけられそうだと思った。
九州各地を回りながら学生に向けて語られた、
『日本近代化論』から個人の『人生論』にまで
及ぶ議論は、具体例を多用した語り口の
易しさを含めて、福田恆存の思想の本質と
その魅力を伝えて間然するところがない。
近代化以降の日本の『混乱』を語って
福田は次のように言う。それは、私たちの
『生き方と言葉との間の溝』に原因がある
のだと。たとえば道具のことを考えてほしい。
物に心がピタリと重なって初めてそれは手に
馴染んだ道具たりうるが、その物との付き合い
方は、そのまま個人の生き方や文化をも形作って
いるだろう。そして、そんな馴染みの感覚は、
私たちがふだん道具として付き合っている
言葉において最も身近である。・・・」

あれ、もう書評半分を引用してしまった(笑)。
うん。買ってみたい一冊。
コメント
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