和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「文字之教」の復刻版。

2015-03-02 | 短文紹介
福沢諭吉著「文字之教」が、
古書現世(東京都新宿区西早稲田)より
今日届く。
「文字之教 復刻版 揃い」
3500円+送料350円=3850円
函入り和本三冊揃い。

流通経済大学出版会より
2000年3月に発行。
その際の値段は揃価12000円+税
となっております。
この古本はきれいで、
新刊そのままでした、
ありがたい。

さてっと、
「復刻版に寄せて」という
パンフレットがはさまっております。
流通経済大学学長・佐伯弘治氏の文。

そのなかから引用。

「・・勿論、私も実用語としての英語の
必要性と、その普及に工夫を凝らさなければ
ならないことについては十分認識している。
しかし、さればといって第二公用語化は、
いささか軽躁であり、甚だ荒唐な議論だと
思う。たしかに、英語を公用語にすれば
国際的な商取引はいくらか便利になるであろう。
だが、それによって、さなきだに乱れている
日本語がさらに荒廃し、日本固有の文化が
衰弱し、国民は掛け替えのない矜持を失う
ことになる。そもそもグローバルスタンダード
にしてからが一体どんな形を指すのか必ずしも
分明ではない。
私は、こんな現代を、変革期ではあるが同時に
迷走の時代でもあると見ている。そして、
こんな時、若し福澤ならばこれをどう判断した
であろうか、と考え、福澤との対話のつもりで、
祭魚洞文庫を訪ねる人たちの誰もが興味を示す
『文学之教』の復刻を思い立ったのである。
福澤は『文学之教』の端書で
『むづかしき字をさへ用ひざれば、
漢字の数は二千か三千にて沢山なる可し。
此書三冊に漢字を用ひたるの数、僅に
千に足らざれども、一と通りの用便に差支なし。
・・・故(こと)さらに難文を好み、其稽古
のためにとて、漢籍の素読などを以て子供を
窘(くるしむ)るは、無益の戯と云て可なり。』
と言っている。・・・・
私は、この『文字之教』の復刻版の刊行が、
多くの人々に、あらためて福澤の人と思想を
学んでいただく縁(よすが)になれば幸いだと
思っている。」

コメント
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