紀野一義「賢治の神秘」(佼成出版社)のなかで、
紀野氏が、テレビアニメ「銀河鉄道999」を紹介しておりました。
それが、気になるので、
杉井ギサブロー監督・細野晴臣音楽のアニメ映画『銀河鉄道の夜』の
劇場公開日を見ると、1985年7月13日とあります。
紀野一義著「賢治の神秘」は1985年7月2日に第一刷発行。
つまりタッチの差で、紀野一義氏は、この本の文を書いた時には
まだアニメ映画『銀河鉄道の夜』を見ていなかったと分かります。
それはそうと、今の私だったらすぐ思い浮かぶアニメ映画といえば
宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』。それも後半の電車の場面でした。
たとえば、宮沢賢治の詩『青森挽歌』のはじまり。
「 こんなやみよののはらのなかをゆくときは
客車のまどはみんな水族館の窓になる
( 乾いたでんしんばしらの列が
せはしく遷つてゐるらしい
きしやは銀河系の玲瓏レンズ
巨きな水素のりんごのなかをかけてゐる )
りんごのなかをはしつてゐる
けれどもここはいつたいどこの停車場だ
枕木を焼いてこさえた柵が立ち
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 」
はい。アニメ映画のなかの『銀河鉄道』の系譜。
なんてのをつい思い描いてしまいたくなります。