産経新聞7月9日の一面は『安倍元首相銃撃1年』と出ておりました。
阿比留瑠比氏の署名記事でした。
「 ・・・安倍晋三元首相が暗殺された奈良市の
近鉄大和西大寺駅前を、一周忌の8日に訪れた。
歴史に残る事件の痕跡も、憲政史上で最長の首相だった
安倍氏の生涯を表す物も何もないことに無常感を覚えた。
ただ、ささやかな献花台に訪れた人たちが静かに生花を
たむけ、祈りをささげていた。・・ 」
一面の写真は、その献花台に列して黙祷されている方々の姿がありました。
一面のコラム『産経抄』は、こうはじまっておりました。
「 犬養毅首相を海軍の青年将校が暗殺した『五・一五事件』では、
すべての被告が極刑を免れている。
当時の新聞は、偏った立場で裁判を報じた。
『 動機に至っては、憂国の純情そのもの 』
『 その悲壮な国士的精神、犠牲的精神の純真さに感動を禁じ得ない 』。
筒井清忠著『 戦前日本のポピュリズム 』から孫引きした
複数の新聞記事は、浪花節的な筆致が驚くほどに似ている。・・・
・・当時の世情の荒(すさ)みは、想像に難くない。
裁判からおよそ90年、同じ轍は踏まない――
と高をくくってはいられないようである。
安倍晋三元首相を暗殺した男に対し、
支援の動きが続いているという。・・・・
言論の自由とは、何を言っても許されることではない。
『暗殺が成功してよかった』(島田雅彦法政大学教授)と口走ることでもない。
旧統一教会との関わりに巻き込まれた男の不遇も
事件を正当化する理由にはならない。・・・ 」
はい。あらためて、黙禱とともに、
筒井清忠著「戦前日本のポピュリズム」を注文することに。