和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

朝の露ひやびやと

2023-10-09 | 詩歌
丹治昭義著「宗教詩人 宮澤賢治」(中公新書・1996年)の
はじめの方に、どういうわけか堀田善衛氏の名前が登場してる。
うん。アマノジャクは、本文よりもこういう箇所にひっかかる。
ということで引用。

「 堀田善衛氏は、千手観音の千本の手は、
  インドの強烈な太陽のギラギラ輝く光線を
  象徴しているといった意味のことを語っているが、
  そのインドの真実の太陽の光は地上のすべての生命を焼き尽くす。

  そういう意味でもこの世を意味する娑婆は、
  耐え忍んでかろうじて生きていけるところ、忍土(にんど)である。

  インドの人々はそういう強烈な太陽光線が鎮(しず)まった、
  柔らかな静かな光、寂光こそが生命を育むと考え、寂光の国を求めた。

  伊藤左千夫は、

   今朝の朝の露ひやびやと秋草や、
      すべて幽(かそ)けき寂滅(ほろび)の光

  とうたっている。11月であろうか、すでに夏から秋への
  生の横溢から充実を終えた庭が、寂光の土となっている。・・ 」
                      ( p8~9 )

はい。最初から丁寧に読んでゆくと、先へと進めなくなります。
また、パラパラ読みをしてゆくことにします。 


コメント
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