パンセ(みたいなものを目指して)

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日本人の精神と資本主義の倫理

2007年10月11日 22時28分39秒 | Weblog
「国家の品格」に似た読後の感想を持ったのが
「日本人の精神と資本主義の倫理」
 波頭 亮  茂木健一郎 幻冬舎刊
いろいろと誤解を恐れずに言い切っているところが判りやすい

それにしても「ノーブレス・オブリージュ」(貴族の義務)
という言葉と概念を今まで知らなかったので
ここで初めて知った時には「それだ!」とうなずいてしまった
「国家の品格」にもあったような、真のエリートの心の持ちようは
こうあるべきなのだろう
弱い者をいじめるのは卑怯だ!とか
恵まれない者には寄付なり施しなり
つまり幸運にもハイレベルな立場にいる者は
社会に還元する様な事を行う義務があると言うものだ

思うにこの国の現在の貧しさは立場上、上にいる人たちの
根本にあるところの貧しさの様な気がする
つまりは経済的成功のみが何にもまして大事な物とする様な
考えを持った者が社会を動かす立場にいて
その哲学を正しい物と崇めているところが情けない

もちろん経済的成功をおさめるためには様々な
人に言えない様な努力をしたかもしれない
しかし、だからといって自分だけが、、、の精神は
あまりにも人生訓とするには寂しい限りだ

話は変わって
「日本はなぜここまで壊れたのか」マークス寿子
「他人を見下す若者たち」
などは今の日本の状況を明らかに「変だ」と言い切っている
そんなことは言われなくても最近起こっている奇妙な犯罪を見れば
だれでも感ずる事なのだが
とにかく単純に変だ

しかし、それで昔にかえって道徳だとか何かを
国単位で言い出すとなんだか胡散臭い気がしてならない
つくづく人が普通に感じるように生きられない
世の中になっていることが残念だ

多くの人間が感じている変な感じ
これを解決しない限りは、どんな法整備をしても
奇妙な事件は起き続けるだろう

ところで、またまた話は変わって、この
「日本人の精神と資本主義の倫理」
対談形式で男同士でやっているので
読んでいる男の自分にも共感しやすいが
あの対談の中に女性が入ってきたら果たして
同じように進んだろうと疑問に思ってしまう
女の現実に根ざした思考方法は
甘いロマンティックな男の理想主義とはかなり違いそうだ
それともこの対談に出る様な女性ならば
人として同じ様な感覚を持つのだろうか?
コメント
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