パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

グレン・グールドは孤独すぎて、、、

2009年12月26日 19時57分25秒 | 音楽
演奏は自分のため
小さな仲間内のお楽しみのため
そして大きな会場での聴衆のため

先日読み終えた「ピアノ・ノート」の中にある一節
それぞれ目的が違うために自ずと表現されるもの
表現方法も違ってくる

そこで思い出したのがグレン・グールドのこと
高校時代に初めてバッハの平均律を彼の演奏で聞いたとき
ピアノなのにチェンバロのような響き、
音が一つ一つ、声部がそれぞれ際立って
ちょっとした衝撃を受けた
(もっと衝撃を受けたのはレコードに
 彼の唸り声が入っていたことだけれど)

それで彼に興味を持ったので
グレン・グールドのアルバムを集めようとしたのだけれど、、、

なんだか気が進まなくて結局ゴールドベルクを買ったくらい

なんでかな?

その答えが冒頭の演奏に向かう環境にあるように思えてならない

彼は自分の為に演奏している
聞き手という介在を必要としなくて
自分とバッハと音だけに向かい合って
それ以外のものは意図的に省いている

孤独にコツコツと音を紡いでいく
作曲当時は単なる職人とされていた(?)バッハも
やはり同じように誰に理解されようがされまいが
自分の世界を創り上げて良く

この部分が自分には少しきつい!
音楽や芸術が心に心地よいものだけとは限らないのは理解できる
しかし、グレン・グールドの音楽は孤独すぎる

ある時期ビートルズも人前の演奏活動を中止し
レコード録音活動だけになり
グレン・グールドも同様に録音だけの存在になったけれど
同じことをしていても態度は全く違う
片方は新たな音楽の可能性を探るため
片方は音楽以外の不要なものを取り去るため、、

結局ビートルズは音楽家、演奏家の本能みたいなものから
聴衆を必要としたが
グールドはそうでなかった

グレン・グールドは寂しすぎる

アンドラーシュ・シフ
クラウディオ・アラウのバッハはなんと優しく
心温まる演奏なのだろう
深くはないとしても(?)
自分はどうしてもこちらを求めてしまう
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする