パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

契約社員、アルバイト

2014年01月28日 20時14分06秒 | あれこれ考えること
マルハニチロの子会社
アクリフーズの毒物混入事件は
その容疑者が逮捕されてひとまずホッとしたところだが
容疑者のこの行動に至った理由がまだ解明されていない

もともと特異な性格の人間だったという噂もあるが
給与の面でも不満があったとも報じられている

そこで契約社員とアルバイトについて考えてみた
考えてみたと言うより、今の自分の状況をベースに
あれこれ感じたりすることを無責任に吐露するだけのことだが

現在自分は、自分から申し出て
正社員からアルバイト扱いにしてもらっている

還暦を過ぎて働くのが嫌になった
というのではない、ただいつまでも誰かに命令されて
束縛されて生活をするということが
少しばかり慣れっこになって
自分の人生それでいいのか?と考えた時
ノーの答えを出したというわけで
その為に収入減となるのだが、これは仕方ないと
納得の上のこと

さて、そうは言うものの時給での収入は
実感としては、なかなかたいへんだ
正直、これが現役の働き手の状況であったら
かなり苦痛を感じるに違いないと容易に想像できる

まずは正社員と同じ仕事をしていても
収入が少ない
有給休暇が無く例えば休んで働かない分は収入減につながる
契約をいつ終了されるか分からない
そして、こんなことがいつまでも続くかもしれないという
一種の絶望感

最近は契約社員もアルバイトも少しづつ待遇改善の方向に
進んでいるようだが?、これを雇用主の立場で考えると
契約社員とかアルバイトは固定費の軽減にもってこいのシステムだ

雇用の安定とか確保を目指す社会のスローガン・目標を挙げても
いざ自分のところに当てはめて計算をすると、この使いやすい
システムから逃れるのはなかなか難しい

経営者は株主の利益追求の要望に応えなければならないし
また自分自身でも余分な経費は払いたくないと考える

このシステムの一番の被害者は若者かも知れない
置き換え可能の人間的でない仕事
例えば正社員で採用されても優しい心を持った人間は
我慢できないのではなく、なにか漠然とした違和感に襲われて
仕事を離れる

そうすると、ここからが特別なスキルを持たない人には
かなり難しいことになる
いざ仕事を探す段となると目の前に有るのは
契約社員・アルバイトのような仕事ばかり

仕事をやめた彼や彼女は我慢が足りなかったのか?
本人の心を知らない人はそんな風に口にするかもしれない
しかし、不安定な気持ちなんて若い人間の特徴
その一時の勢いからの行動ということも有る

問題はこうした人間を受け入れる社会ではないということ
雇用の面でも、精神的な受け入れ方でも

日本の社会は本当にトーナメント社会なのだろうか
官僚も一回の失敗も許されない
社会に適応するには立派な会社に就職する(一般的には)
そのためにはいい大学に入らなければ
またそのためには良い高校、、、

しかし、どうやっても一部上場のような会社に就職できる
人数は限られ、多くの人々は諦めとは分相応の行き方を
考えるようになる

分相応な考え方はそれでいいのだが、この分相応が
日本では我慢が不可欠な要素となっている
悪い待遇・職場環境でも悪いのは離職した人間

我慢が足りない人間は欠陥がありそうだから
契約社員・アルバイトの扱いで充分
口に出さないが社会のこんな気持が想像できる

自分らは我慢してきた
歳とった人たちはそう言って若者を批判する
しかし明らかに時代が違う
上り調子のモノが不足していた時代
所有することが幸せと思えてどんどん消費に向かっていった時代
モノもそれに合わせるように自己発展してきたとさえ思える

しかし今は成熟社会
ものは巷にあふれている
しかし更に経済を活性化するには欲望を無理矢理にも
喚起しなければならない
仕事もコンピュータの出現によって中間的な
ある種の技術を必要とした仕事が無くなって
誰でも出来る仕事に標準化される
すると誰でもいいのなら安い方法をと考えるのは必然
人は人間性というよりは労力としてだけ評価される

話がどんどんずれていくが(いつものことだが)
言いたいことは、契約社員・アルバイトのシステムでは
多分、人は幸せになって行くことができないということ
(老人は別として)
若者は現在とても不幸な状況下に有るということ
一回の失敗も許されない社会で、リベンジする機会が極めて少なそうなこと

なんだかな~
政治家さんは実感を持ってこういう問題に当たって欲しい
弱者にたいする想像力をもつこと
それがたとえ不遜であったとしても
強者ばかりの理屈に追従するよりは
少しは住みやすくなりそう
と思うのはロマンチックすぎるのだろうか



コメント
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