最後のページで確認すると初版は昭和39年10月1日とある
ということは50年以上前の書籍ということになる
しかしその内容の今日性はどうだ
思い当たるフシがいたるところにあって、本質的な人間の
傾向や心理は変わっていないことがつぶさに見て取れる
「幻影(イメジ)の時代」マスコミが製造する事実
ダニエルJ・ブーアスティン著 星野郁美・後藤和彦/訳
今年初めの本はアマゾンで購入したこの本
字が小さくて上下2段のキチキチに詰まっているのは
老眼にはしんどいが、それを補ってもなおかつ面白い
1.ニュースの取材からニュースの製造へ
2.英雄から有名人へ
3.旅行者から観光客へ
今のところここまで読んでいる
続くのは
4.形から影へ
5.理想からイメジへ
6.アメリカの夢からアメリカの幻影へ?
その内容は、擬似イベントと言う言葉に表される様々なこと
ニュースはいつのことからか出来事を報道するものではなくて
製造・演出するようになっているまでになっていること
政治家の発表すら記者の誘導に導かれる可能性があったり
漏洩という手法を使ってのニュースの製造
また英雄と有名人との違い
評価されるべき英雄はその時代の
すぐに忘れられる有名人に取って代わられている
そしてその有名人を知らす知らず評価してしまう人々
旅は本来苦労したり現地の人と直接に触れ合うことにより
自らの体験(トラベル)となるのだが、今は普段の生活を確保した上で
窓越しに風景を眺める観光(ツーリスト)となっている
これらは現代にもそのまま流用できる
いあや現代こそ、そのままではないかとさえ思えてくる
この著者はどんな人かは知らない
しかし大変な知識・教養の持ち主であることが分かる
昔はこういう人がまだ多くいた
しかし現代は専門家はいるかもしれないが
この手の教養人は見つけにくいのが現実だ
特に日本では
日本における知識人
御意見番、かつての小林秀雄みたいな存在の人間は
今なら誰が該当するのだろう
それを自分が知らないだけならいいのだが
いないとしたら、、、、