思いの外読みやすい
(もっとも面倒なところまで来ていないが)
これが話題の「21世紀の資本」の第一感
なるほど著者がこの本を書く理由もなんとなく理解できた
そして、蓄積されてきたヨーロッパの知識を
自らも再現する哲学のような本の構成もさすが
というべきか
確かにこれからは難しくなっていくかもしれないが
マルクスの資本論みたいな難解な言葉遣いはないようだし
各国の数字を出しているので興味も長続きするような
気がする(と思いたい)
まだ読み始めたところで、興味深い文章に出会った
経済学者が数字を扱って特別な感覚を味わっていることへの
警鐘に通じるもので、こんな風に書かれている
経済学という分野は、まだ数学だの純粋理性的でしばしばイデオロギー偏向を伴った
憶測だのに対するガキっぽい情熱を克服出来ておらず、その為に歴史研究家や
他の社会科学との共同作業が犠牲になっている。
経済学者たちはあまりにもしばしば、自分たちの内輪でしか興味を持たれないような、
どうでもいい数学問題にばかり没頭している。
この数学的への偏執狂ぶりは、科学っぽく見せるにはお手軽な方法だが、
それをいいコトに、私たちの住む世界が投げかけるはるかに複雑な問題には答えずに済ませているのだ。
実を言えば経済学者なんて、どんなことにもほとんど何も知らないというのが事実なのだ。
この辺りは日本のテレビ画面に登場する自信たっぷりの
最終的には責任を負わない人々(評論家・解説者)への
嫌味・皮肉にも通じそう
それにしても、こうした幅広い教養に支えられ深い洞察に満ちた
根気のいる体系づけられ考察は日本では生まれないな
日本で生まれるのは時流に乗ったハウツウもの
良いとこ取りの解説書ばかり(の様に思えてしまう)
とにかく一日でも休むといきなり挫折しそうな
「21世紀の資本」
もしかして最高の睡眠導入剤となるかもしれないが
頑張ってみよう、、