昨年読んだ本の中で圧倒的に面白かったのが「樹木たちの知られざる生活」ペーター・ヴォールレーベン
樹木やその他の生き物に対する優しい眼差しと、それらが織りなす多様な世界を素直に驚きを感じる感性が
とても心地よくて、この人の森林管理官、、というものに少しばかり興味をもった
するとつい先日(5月15日)「ドイツに学ぶ多機能森林業」なる催しが新城市の文化会館304号室で行われた
講師はドイツシュヴァルツヴァルト地域の森林官ミヒャエル・ランゲ氏
森林管理官と森林官、、どう違うのか、とかは気にならず、とにかく面白そう、、ということで
時間ギリギリで会場に着いた
だが少し失敗をしてしまった
ボールペンは持参したがノートとか紙は持っていない
せっかくの面白そうな話だが、最近怪しくなりつつある記憶に頼りるだけになってしまった
(この状態はとても不安で官僚さんたちがメモを取らないなどとはとても思えない)
ランゲさんがドイツ語で話す、それを同時通訳で紹介する
パワポを使いながら約一時間の話は想像通り興味深いものだった
でも残念ながら時間が過ぎて今覚えているのはやはり少しのことだけ
その筆頭は「意志あるところに道はある」みたいな話
この意味するものとは多少意味合いが違うが、とにかく「道」が重要と訴えた
その道とはただ通るだけの道ではなく、道幅は車が通れる広さを確保したもので
伐採した木材を道までウインチで引っ張ってそこから運搬しやすくできる機能的な道
(ただし車の利用は限られた人だけ)
そしてこの道はこうした機能的な面だけでなく、森林浴を求める一般市民にウォーキング・ジョギング
サイクリング・乗馬といったレクリエーションに手軽に使われるとのこと
これは山道をハイキングするのとはかなり違い、本当に子どもでも楽しめそうなコースだった(動画では)
(多機能森林業とは保全・木材の安定供給・憩いの場としての森林を維持すること)
森に入った時の心地よさ、例えば新録の季節に入った時の木漏れ日、サワサワと風に吹かれて葉が擦れ合う音、少し湿り気を含んだひんやりした空気
鳥たちが耳が慣れてくると本当にいろんな種類の鳥たちの鳴き声が聞こえる様
これらはドイツ人でなくても想像がつく
森はグリム童話やヴァーグナーの楽劇などでもその舞台として登場する
ドイツ人にとっては原風景のようなものだろう(そして鳥の声・白鳥の存在も)
その森を楽しむために快適な道
道を作れば何かが起きる(いろんな考え方が浮かぶ)、、講師のランゲさんはそうやって説く
道が有効そうなことはわかった
しかし森は自治体ばかりではなく、それこそ数多くの私有林から成り立つ
日本でも道を作ろうとしてもその一人ひとりにあたって交渉していかねば、、と考えると
理想(夢)はいきなり現実の世界に戻される
だが市有林の多さは日本だけのことではなくドイツも同じこと
ドイツ人はコツコツと時間をかけて一人ひとりを説得して(100年先を考えて、何十年かけて)道を作る
道を作るという意志があって、道ができる、、ということで上にあげた文章をあげたのだが
このコツコツやっていく計画性・意志の力は日本人は苦手な分野かもしれないかもしれないが
学ばねばならないことだろう
このイベントの最後に主催者が、「参考になるいい話は聞いた、勉強もした、問題はそれを誰がやるかだ」
と締めたが、まさにその通りで地方活性化でも市街地の活性化でも「誰がやるのか」が一番の課題
でもこれらを実現するのは少しばかり変人の評価の有りそうな「ばか者」かも知れない
その上で、その話乗った、、のような賛同者が増えていくと良いんだが、、