パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

最近読んでいる本は、多くの人も読んで欲しいのだが

2021年08月31日 09時26分59秒 | 

年令によって読む本の分野は変わってくる
若い時は圧倒的に小説類だった
だが今はそれに変わって社会とか経済とかに関するものが多くなっている
例えば今年読んだ本は(そして印象に残っているのは)
「絶望を希望に変える経済学」(アビジット・∨・バナジー&エステル・デュプロ)
「主権者のいない国」(白井聡)
「社会学的想像力」(C・ライト・ミルズ)
「代表制という思想」(早川誠)
「人新生の資本論」(齋藤幸平)
「レイシズム」(ルース・ベネディクト)
そしていま奮闘中なのが
「国家は何故衰退するのか(上)」(ダロン・アセモグ&ジェイムズ・A・ロビンソン)

歳を重ねると涙もろくなると言われる
それは歳を重ねるといろんな経験をして、目の前にある事態だけでなく
その背景までも想像し感情移入してしまうかららしい
同様なことが、読書にもおきる
もったいぶった言い回しとか、わざわざ難しい表現などと敬遠していた分野の本も
経験を重ねることにより、その言わんとすることがリアリティをもって感じられるようになっている
そして、これこそが重要な現実で、フィクションなどは架空のものに過ぎないとさえ
思えてしまうことさえある

これらの本は読み飛ばせる本ではないので難しい
だが難しい理由は、考え方が理解し難いとか概念がわかりにくいのではなくて
そこで紹介されるエピソードが未知なため、それを記憶するのが難しい場合が多い
現実的に物覚えが悪くなっているので、エピソードで紹介される人物名や出来事は
悲しいくらい頭を素通りしてしまう

だがそれは仕方ない
今はこの手の本が面白いと切実に感じる感覚は、今読むべきものとの認識に至る
と同時に(希望を込めて思うのだが)自分が今リアリティをもって大事な
読むべき本と感じる本が、世の中ではどのくらいの位置を占めているかが気になる

つまり、個人的な感覚からすれば、これらの本こそがベストセラーになるべきと思えてしまう
人とは背景知識が同じでないと話が噛み合わない
自分がこれらの本で得た感覚を人に伝えようとすると、伝わるのは伝えたいことの何分の1
ということになってしまいそうだ
それは説明の上手い下手だけ理由ではなく、圧倒的に背景知識の差によるものだ
おもしろい、おもしろくない、、は圧倒的な個人差が存在する
それなりの経験を積んでいても、どうしても感じ方の個人差は生じる
だからこそ「類は友を呼ぶ」的な集団が生まれることになるのだろうが
それでも、おせっかいなことに思うのは、今の若い人とかそれなりの感じる心を持っている人には
自分が読んだ本を読んでほしいと思う
特に「絶望を希望に変える経済学」(アビジット・∨・バナジー&エステル・デュプロ)は
読後感が良くて圧倒的におすすめ
「社会学的想像力」(C・ライト・ミルズ)も「人新生の資本論」(齋藤幸平)も
「国家は何故衰退するのか」(ダロン・アセモグ&ジェイムズ・A・ロビンソン)も
読む前と読んだ後では、認識が少し変わりそうで読まれるべきと思ったりする



コメント
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