奇妙なニュースが報じられた
奈良の竜田川が緑色に変色したというのだ
テレビ画面からみるとまるでバスクリンが混入されているように見える
調査してみると、どうやらこの印象は間違いではなく
入浴剤と同じ成分がどういうわけか混じっているそうだ
竜田川、、どこかで聞いた名前だ
気になったのは緑色の川の状態ではなく、この名前の方だ
「ちはやふる神代も聞かず竜田川から紅に水くくるとは」
知ったかぶりの人のこじつけを笑う落語とか
映画「ちはやふる」の由来ともなった在原業平の歌に登場する竜田川
ニュースの竜田川は、この竜田川なのだろうか?
と浮かんだが、どうやらその竜田川のようだ
だが驚いたのは竜田川は風情のある川のように見えなかったことだ
ニュース動画で見られたのは、まちなかを流れる小さな普通の川
この川を見てあの歌が作られたとは到底思えないのだった
そういえば、ベートーヴェンが田園を作曲したときの小川は
ハイリゲンシュタットのベートーヴェンガングと呼ばれる散歩道にある
本当に小さな小川で、そこから田園を作曲したとは思えないものだった
どちらの川も当時とは違っているかもしれない
現場を見ることは大事だが、このようにがっかりすることも少なくない
だが、川からインスパイアされる人の想像力というのは大したものだ
と感心してしまう