「もう一度自分で良い」高校生と思われる女の子が
「生まれ変わるとしたら何になりたい?」の問いに
テレビでこう答えていた
思わず唸った
すぐさま自分は?と考えた
すると、同じ様に「もう一度自分で良い」
と答えようとしている自分がいた
お金を沢山儲けたたわけではない
社会的に認められている訳でもない
しなくても良い苦労をしたかもしれないとも思う
でも、どうでもいいことでもあれこれ考えて
(時にはストレスになりそうなことも考えて)
自分とのおしゃべりは退屈することはない
悩む自分、落ち込む自分、怒る自分、妬む自分、偏屈な自分
それらをひっくるめて「もう一度自分で良い」と思う
昔、読んだ上中下と3冊にわたる真面目な漫画
「共犯幻想」(真崎守・斉藤次郎作)の中にこんな問があった
「今したいことは何ですか?」
「もうじき死ぬとわかっていたら何がしたいですか?」
「2つの問の答えは同じですか?」
この問は心に刻まれて時々自分に問うてみる
答えはその折々で変わってくる
でもできるだけ同じようにしたいと思っている
言葉は力を持つ!と思う
これだけの短い問で人の生き方を考えさせることができる
マザーテレサは「自分なんて生きていても死んでも世界は変わらない」
と絶望感に苛まれている人に
「世界の調和が完成するには、あなたがいなかったら一人分足りない」
と答えている
そしてその言葉は人を救うことになる
ところで、自分が「もう一度自分で良い」と思うきっかけは
ヘッセの「シッダールタ」の影響だと思う
昔は賢くて生活も恵まれていたシッダールタが情熱に振り回されて
しなくてもいい苦労をする羽目になる
こんなはずではなかったシッダールタの人生
でもそれを全部受け止めて、内的生活の平安を手に入れた彼
小説の最後の部分は涙が滲んで仕方ない
少しばかりロマンチックな終わり方だが
それ故に愛読書だし、人におすすめできる作品となっている