パンセ(みたいなものを目指して)

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共産主義も新自由主義も、頭でっかち(と思う)

2020年11月17日 08時29分28秒 | あれこれ考えること

アメリカの若者はサンダーズ氏を始めとする左派、社会主義的な傾向のある政治家を
推しているとの解説を目にしたことがある
若い時期の正義感とか、自分たちが現実に味わっている社会的な現実に対する不満
経済格差とか人種間の不公平感を正そうとする純な気持ちは理解できる

ところが、日本では左派ではなく反対の右翼的な若者が多いようだ
右翼と言われるのに抵抗はあるのなら保守と読んでほしいらしいが
この場合保守の定義通りの分類かといえば、そうではなくて
単に自民党が保守との分類に入っているとの解釈でそれを支持じているように思えてしまう

トランプさんは左派とか社会主義者というだけで、全否定をしているようだし
彼に従う人たちもそう思い込んでいる
(日本の若者もそう信じているような気もする)
しかし、社会主義はそんなに全否定されるほど悪いものか?

と言っても、「歴史の終わり」にあったように制度としての社会主義・共産主義は現実的に崩壊した
昔、自分がドイツで出会ったホーランド人は「共産主義ノー、ノー」と言って
その当時のソ連がリードする社会を批難していた
そこには自由がない、、との不満が大きかったと思われた

共産主義が自滅の道をたどることになったのは、自分の拙い理解からすると
競争のない計画経済のせいで生産性が悪く、物不足とか製品の進歩がなくて
その結果として経済が破綻したもの大きいとされている

計画経済は、一部の頭の良いとされる人が「良かれ」と信じたことを実践したのだと思う
みんなが公平な「良かれ」と思うことは、当時は切実感はあり
それはそれなりの説得感を持ったかもしれない
ところが、問題は人の世は頭で考えたとおりにはいかないという現実で
思いは真っ当でも、実践するのは間違いや欲望を内在する人なので
頭でっかちに人を理想化した考えでは世界の実態の把握は不正確になる
結局はこの人という存在が官僚制度の膠着した状況を作り、
考えたとおりには上手くいかなかったのではないのか、、と思う

フロリダ州のキューバからの移民は、共産主義の欠点を自ら実感しているので
社会主義的な方向性には賛意を示すことができないのは分かる

ところが、現在の一般的に資本主義と民主主義とされる国が、上手く行ってるか
と考えると、どうもそうではないように思えてしまう
現実に経済格差は拡大し、社会の安定は脅かされている
資本主義の説明でいつも出てくるアダム・スミスの「神の見えざる手」の理屈とか
個人個人が自分の利益を求めて活動すれば、それが結果的の社会の利益につながるとする理解は
実は共産主義者の犯した間違いと同じように、人間に対する頭でっかちの抽象化した理解ではないのか

残念ながら人はそんなふうに、いい人ばかりの反応とか行動はしない
「歴史の終わり」にあったように人には「承認欲求」はあると同時に「優越欲求」がある
(自慢したいとか、自分たちの宗教のほうが優れているとか、、、)
またそうした内的な傾向だけでなく、心理学的にも「手にしたものは離したくない」とする
心理学的な傾向も、間違いなく存在する(トリクルダウンは結局夢のまた夢のように思える)

つまりは社会主義(共産主義)も資本主義(新自由主義)も、人に対する理解が
あまりにも頭でっかちで、単純化、理想化しているために誤差として現れるのが
現在の矛盾点のように思われる

ということで、思うに左派(社会主義)というだけで一方的に否定するのは良くないということ
また結果平等が確保される社会主義も不完全に違いないだろうということ
要は、いつの時代もそうであったように試行錯誤でより良い社会とかシステムを
当事者のその人間が見つけていくしか手はないと思う

こうなると、試行錯誤を前線に立って進めていく人の判断力の優劣が大事となってくるが
このバランスをとる人格というものが必要になってくると思われる
上に立つ人には、専門分野の深い知識や技術と全人格的な判断力をつい求めてしまうが
こうなるとまた、理想化した人間の存在を求めている、、との間違いをしてしまいそう

それにしても、今の日本の若い人には報道されていることをステレオタイプに信じ込むのではなく
まずはその前提から疑うかのような態度をとってほしいと思う
ついつい、今の若いもんは、、と言いたくなるが、自分たちのためには自分たちで解決するしか
手はないのだから、、

ところで最近は全く旗色が悪いマルクスだが、価格には労働という行為が反映されている
とする考え方は、なるほどそういう捉え方もあるのか、、と思ったりした
ここまでは抵抗感はないが、その先は、、、かな
(もっともよく理解していないので印象だけの話だが)

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