■防衛情報-ウクライナ戦争
自衛隊のAWACS早期警戒管制機の運用についても参考とすべき重要な戦訓とウクライナ軍の戦果があがりました。自衛隊のE-767と同じ用途の機体がロシアにもある。
早期警戒管制機が実戦状況で史上初めて撃墜されたとみられる、イギリス国防省1月17日付ウクライナ戦況報告がロシア軍早期警戒管制機撃墜の情報分析を発表しました。これによれば1月14日にロシア航空宇宙軍のA-50メインスティ早期警戒管制機が飛行中に爆発し、アゾフ海西方に墜落したもよう。ウクライナ空軍に撃墜されたと分析しています。
A-50メインスティ早期警戒管制機は輸送機を改造した大型の早期警戒管制機で、ロシア軍は9機を運用しており、これを1機喪失したことは今後のウクライナ航空作戦に大きな影響を及ぼす事は必至と考えられます。おりしも2024年はウクライナ空軍がいよいよF-16戦闘機の受領と配備を開始すると見られ、A-50の1機喪失は中長期的に影響が大きい。
Il-22MクートB戦域空中指揮機も、A-50早期警戒機が撃墜された周辺空域で攻撃を受け、こちらは地対空ミサイルによるものと考えられる損傷を受けていますが、不時着に成功したとのこと。重要な点は後方で戦闘指揮全般を担う早期警戒管制機をウクライナ軍が補足したということで、ロシア空軍ウクライナ周辺空域での運用を大きく制約し得るでしょう。
■砲弾100万発
ウクライナ支援の一環としてアメリカや欧州各国はウクライナへ砲弾100万発の供与を発表しましたが砲弾製造能力などから実現していません。しかし。
ロシア軍は北朝鮮から砲弾100万発を受領した、ISWアメリカ戦争研究所1月11日付ウクライナ戦況報告においてウクライナ軍事情報総局副局長スキビツキー少将の発言を紹介しています。ここでロシア軍は現在野砲として122mm砲と152mm砲を運用しているとした上で、ロシアの軍需産業は年間200万発の砲弾を製造する能力があるとしました。
200万発の野砲弾に対して、しかし膨大な量ではあるものの2023年にはロシア軍は50万発の砲弾不足に陥っており、スキビツキー少将によれば2024年にもロシア軍は同様の状況に陥る可能性が高いとしています。1990年代まではこの種の戦闘は航空戦力が大きく左右すると予見されていましたが、現実的には砲兵火力が多くを左右しているのが実情です。
ウクライナのゼレンスキー大統領発言によれば、ロシア軍は砲弾の供給を北朝鮮に大きく依存していて、膨大な火砲を有する北朝鮮の砲弾備蓄量も巨大であり既に100万発を受領しているとのこと。なお、ISWは踏み込んだ分析をしていませんが、北朝鮮が砲弾の見返りに例えばSu-30戦闘機など、どういった見返りを得る事となるかも大きな関心事です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
自衛隊のAWACS早期警戒管制機の運用についても参考とすべき重要な戦訓とウクライナ軍の戦果があがりました。自衛隊のE-767と同じ用途の機体がロシアにもある。
早期警戒管制機が実戦状況で史上初めて撃墜されたとみられる、イギリス国防省1月17日付ウクライナ戦況報告がロシア軍早期警戒管制機撃墜の情報分析を発表しました。これによれば1月14日にロシア航空宇宙軍のA-50メインスティ早期警戒管制機が飛行中に爆発し、アゾフ海西方に墜落したもよう。ウクライナ空軍に撃墜されたと分析しています。
A-50メインスティ早期警戒管制機は輸送機を改造した大型の早期警戒管制機で、ロシア軍は9機を運用しており、これを1機喪失したことは今後のウクライナ航空作戦に大きな影響を及ぼす事は必至と考えられます。おりしも2024年はウクライナ空軍がいよいよF-16戦闘機の受領と配備を開始すると見られ、A-50の1機喪失は中長期的に影響が大きい。
Il-22MクートB戦域空中指揮機も、A-50早期警戒機が撃墜された周辺空域で攻撃を受け、こちらは地対空ミサイルによるものと考えられる損傷を受けていますが、不時着に成功したとのこと。重要な点は後方で戦闘指揮全般を担う早期警戒管制機をウクライナ軍が補足したということで、ロシア空軍ウクライナ周辺空域での運用を大きく制約し得るでしょう。
■砲弾100万発
ウクライナ支援の一環としてアメリカや欧州各国はウクライナへ砲弾100万発の供与を発表しましたが砲弾製造能力などから実現していません。しかし。
ロシア軍は北朝鮮から砲弾100万発を受領した、ISWアメリカ戦争研究所1月11日付ウクライナ戦況報告においてウクライナ軍事情報総局副局長スキビツキー少将の発言を紹介しています。ここでロシア軍は現在野砲として122mm砲と152mm砲を運用しているとした上で、ロシアの軍需産業は年間200万発の砲弾を製造する能力があるとしました。
200万発の野砲弾に対して、しかし膨大な量ではあるものの2023年にはロシア軍は50万発の砲弾不足に陥っており、スキビツキー少将によれば2024年にもロシア軍は同様の状況に陥る可能性が高いとしています。1990年代まではこの種の戦闘は航空戦力が大きく左右すると予見されていましたが、現実的には砲兵火力が多くを左右しているのが実情です。
ウクライナのゼレンスキー大統領発言によれば、ロシア軍は砲弾の供給を北朝鮮に大きく依存していて、膨大な火砲を有する北朝鮮の砲弾備蓄量も巨大であり既に100万発を受領しているとのこと。なお、ISWは踏み込んだ分析をしていませんが、北朝鮮が砲弾の見返りに例えばSu-30戦闘機など、どういった見返りを得る事となるかも大きな関心事です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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