今日徳島市で標記の研究会があって、発表をしてきた。日帰りのとんぼ返りであった。物理学者のOさんの講演が最後にあってそれを聞いて直ぐに会場をあとにした。Oさんの講演はなかなか好奇心をそそるものであったので、帰りの電車の中で彼の資料を読んでみた。原子核のクラスターモデルの確立に大きな貢献をしたOさんの話がある程度わかった。
彼はアルファ粒子と酸素との散乱のポテンシャルからその散乱とNeとのいろいろな知見を得たことからクラスターモデルの適用範囲を大きく広げたらしい。それまで核力から導かれたポテンシャルを用いて、軽い核、質量数が20までくらいの原子核はクラスターモデルで説明ができていたのが、質量数20~40の原子核ではうまく説明がクラスターモデルでできなかった。それを現象論的に求めたアルファ粒子と酸素との散乱のポテンシャルからブレークスルーを見つけたという。
もちろん、これは彼の素粒子論研究に出た報告を私が見ての判断であるから、間違っているかもしれない。だが、このOさんには他の原子核の研究者が尊敬の念をもって接していたことは知っていたが、このような立派な仕事をした人だとは知らなかった。いい仕事のできる人はいるものだといまさらながら感心をした。
Oさんに手紙でも書いて敬意を表しておこう。