物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

高橋康氏の死去

2013-06-11 12:12:06 | 物理学

昨日来た物理学会誌を見ていたら、カナダのEdmonton在住の物理学者、高橋康さんのobituaryを亀渕さんが書かれていた。88歳だった。

ここ数日、物理学者の梅沢博臣さんの亀渕さんのインタビューを聞いて昨日ほぼ聞き終わった。

このインタビューは4時間に及ぶものであり、長かった。梅沢さんと高橋さんとは同じEdmontonのAlberta大学に勤めていた。

二人とも場の量子論を専門とする日本人の学者であり、このブログでときどきコメントを頂く、Nakanishi先生とかも含めて数少ない、優れた日本人の場の量子論の専門家であった。

私は高橋さんの物理のテキストが講談社から出ているのをほとんど購入して持っている。だが、高橋さんの書で割と詳しく読んだのは「物性研究者のための場の量子論」上、下(培風館)だけである。

これはノートをつくりながら、読んだ覚えがあるが、それでも全部は読めなかったように思う。

冥福をお祈りする。

カナダのAlberta大学は友人の故小林正典氏(元岐阜大学)がたびたび研究で訪れたところであるが、私は彼からAlbertaの話を聞いたことがあるだけで自分では訪れたことはない。


なだいなだ氏死去

2013-06-11 11:32:09 | 日記・エッセイ・コラム

作家のなだいなだ氏が6月6日に死去していた。

朝日新聞の天声人語に名著「権威と権力」(岩波新書)のことが書いてあった。

私もこの書を読んで感銘を受けた一人であったが、そのうちに忘れてしまっていた。なだいなださんはアナーキストであったらしい。もっとも別に危険なアナーキストという意味ではない。

それまで、アナーキストとは暴力で政府を転覆させるような人たちだという印象をもっていたのが、そうではない人もいるということであった。

彼の他の書は読んだことが小説も含めてない。

精神科の医師であり、作家であったこととか、朝倉季雄先生がNHKのラジオ講座を担当されていたころ、フランス人のゲストはルネ・ラッガシュさんだったが、ルネさんはなだいなだ夫人であるとはどこかで読んで知った。

発音がきれいで、それでフランス語を勉強するようになったという訳でもないのだが、ラッガシュさんの発音はステキの一言に尽きた。

なださんは享年83歳だったというから、現在ならもう少し長生きしても不思議ではないだろうが、それでも長生きではあろう。