今日の朝日新聞の広告に『「抗体」100年の謎』という題の広告が出ていた。テルモという体温計をつくっている会社の広告である。
大体あまり広告を読むことはしないのだが、『北里が発見し、利根川が解明した「抗体」100年の謎』とあったので、その文を読んで見て初めて大事なことを知った。
以下は重要な箇所の引用である(朝日新聞広告2013.6.19より)。
人体には、さまざまな細菌やウイルスなどの異物が侵入してくる。これに対し、血液成分の一つであるリンパ球のB細胞は、その細菌なり、ウイルスなりに対する抗体をつくる。すると同じ異物が再び侵入したとき、簡単に撃退できるようになる。これが免疫だ。どんな異物が侵入しても、B細胞はそれに応じた抗体をつくることができ、その種類は100億を超える。(中略)
抗体多様性に関する彼の報告は、出席者の度肝を抜くものだった。なんと、遺伝子が変化するというのだ。遺伝子情報はDNAに書き込まれており、一生その形はかわらないため、指紋のようにその人を特定する決め手になる。しかし、利根川は「B細胞だけは自らの抗体遺伝子を自在に組み替えて、無数の異物に対応する無数の抗体をつくることができる」ことを証明したのだ。(引用終わり)
この事実を私は今朝まで知らなかった。それで衝撃を受けた。これだとノーベル賞委員会が「100年に一度の偉大な研究だ」というのも頷ける。これは京都大学の山中教授のips細胞の研究と同じようにとても破天荒な研究であろう。
これからは、ときには新聞広告も読んで見よう。