本来経済活動を活発にするには国の政策としては中央銀行(日本の場合なら日銀)が金利を安くしてお金を借りやすくする。
ところが金利がほとんど金利がない、いわゆる0金利にすでになって久しいので、経済政策として金利が動かせない。
そのために一時的な手段として社会に出回るお札の量を増やしてみた。これが4月に実行された金融の異常緩和である。
それと来年の4月から予定されている、消費税の増税で少し駆け込み需要を喚起しようということらしい。もっともその後の落ち込みが多分起こるだろう。
貨幣の量を増やしても長期的にはその効果はないという(貨幣の中立性)ことが経済学者の間では通説らしいので、どうもちょっとした短期的な効果しかないのであろう。
だから、アメリカでしばしばうわされているように、金融緩和とか0金利からの脱出をどうやって図ることができるかを考えることが本当の経済学者や政治家の才能が問われているところだろうに。
物理の実験などで、外から物質に圧力をかけてそのときの応力の変化を測ったり、電圧を測ったりとかしたりする。または電場をかけてその物質の応答をみる。同じようなことを社会の経済の問題でしているのだと思う。
もっとも、ここまで社会の経済が動かなくなってしまった、現在の社会は隣国との軍事的な圧力状況を作り出しておけば、防衛予算を増やすことに理解が得られると考えているのが現在の政権であろう。これは多分に防衛産業の圧力であるかもしれない。
しかし、そういう状況は市場経済がどうも行き詰ってしまった最後の段階だという気がする。だから政府は中国との和解も韓国との和解も「わざと」しないであろう。
中国の方はともかくとして、韓国とは私などの素人考えでも従軍慰安婦に賠償金を払うという姿勢を示して払えば、韓国との問題の少なくとも一つは解決する。
もちろん、財政はそれだけ苦しくなるが、それはしかたがないと思う。だが、そうはしない。なぜか。それは隣国との緊張関係が外交的にもあれば、防衛関連の予算を増やす口実ができるからであろう。
どうも深読みのし過ぎかもしれないが、言外に口外はしないが、そういうのが経済界とか政権の中枢におられる方々の考えであろう。そして防衛とか外交の秘密が拡大してそれも秘密にされたことを、もし公にすれば刑に服すようになるという脅しも十分にできるようになった。
それが秘密保護法案の心であろう。
どうもこういうことを書くつもりではなかった。現在の市場経済が行き詰っているということを言いたかっただけなのに。
富国強兵へと突き進んだ、明治、大正時代と昭和20年までの時代が失敗に終わったことを歴史的に知っているのに、同じような夢しかもてない思想の貧困である。